安全とは言えないアレキサンドリアで何が起きるのか、もはや避けることのできないリックとモーガンの対立にどう決着がつくのか。
これらがドラマ『ウォーキング・デッド』のシーズン6で判明するのが待ち遠しいが、ここでこのシリーズで人々の記憶から離れないゾンビたちを振り返ってみよう。
これから登場するゾンビは、群衆シーンの背景をよろよろ歩いている単なるウォーカーではない。ここで話しているのはもっとクリエイティブに想像された、他の普通のゾンビ以上に気持ちが悪く、身の毛がよだつような、頭から離れないゾンビなのである。胸を張り裂き(ああ、ペニー!)、食欲がなくなるゾンビもいる。このヒット作の中の場面にこれ見よがしに登場し、皆を不安に陥れる腐敗した屍体たちは何百もいる。夢の中で、いまだに爪を立てながら貪り食っているウォーキング・デッドたち10人を紹介しよう。
(もしあなたが『ウォーキング・デッド』のファンでないならば、ここで読むのをやめてほしい。これはアメリカで2015年10月11日に放送されたシーズン6のプレミアを心待ちにしていたファンのためだけの記事である。これから先はネタバレがたくさん登場する。警告したのだから苦情は厳禁だ。)
10位 デッド・シェーン(シーズン2 エピソード12「深い森の中で」)
リーダー的存在の2人の男性は最終的にどちらかが死ぬだろうとは薄々わかってはいたが、リックの同僚でかつてのパートナーであるシェーンの死は衝撃的だった。シーズン2の最後に至るまでにシェーンは本当に正気を失い、ハーシェルの農場で生存者たちに力を振おうとし始める。
9位 ペニー(シーズン3 エピソード8「悲しい再会」)

ペニーは、ガバナーの娘。アイパッチをつけた悪者ガバナーは、ウォーカーと化した娘のペニーが意識を失ったことを認めない。ガバナーはペニーを自分の悪の巣窟である隠し部屋の檻に住まわせ、生肉を与え、髪を梳かしてやっている(その間に彼女の頭皮も剥がれてしまう)。ミショーンはペニーを発見し、この小さな女の子が、、そう、彼女がすでに生きていないことに気がつくまで彼女を助けようと試みる。ペニーは総督が人間性を残していようと、構わず人の死骸を食う(2度目である)。登場人物たちがウォーカーをつないだペットのように飼っている場合、彼らは自分たちの腕と顎を切り落とすことが多い。ここでのこの子はアンデッドたちが次第にかつての自分を取り戻すのではないかという最後の望みそのものだ。ペニーはこのドラマに出てくる最も恐ろしいゾンビというわけではないだろう。
8位 食料銀行にいた溺死したゾンビ(シーズン5 エピソード2 「暗闇からの視線」)

ゲイブリエルは物資を漁るためにグループを郡の食料銀行へと連れて行く。ボブはまだ楽観的になることについて話している。なぜなら彼らは悪夢の真っ只中にはまっているからだ。しかし終わらない悪夢はない。そうだろう? 彼が食料品庫の浸水した地下に突入すると、身の毛もよだつような腐乱したぐちゃぐちゃのゾンビがボブの足首を貪り食う。つまり、ウォーカーたちが溺れることは決してなく、体の組織がほぼバラバラになっていたとしても脳みそを食べようとするのである。それがよくわかった。
7位 葉に覆われた木のゾンビ(シーズン4 エピソード3 「集団感染」)

シーズン4の中盤、刑務所内で感染が発生し、ハーシェルは治療に使うエルダーベリーを探しに行くことを決意する。森ではすべてが安全だと主張する。その通りであるが、地面の上で腐敗が始まった動けないウォーカーは、すでに彼の周りで木が成長を始め、根を下ろしている。(厳密に言うとその半分がゾンビなのである)。
6位 泥のゾンビ (シーズン4 エピソード8 「最期の決戦」)

ペニーの不運な最期の後、ガバナーはメーガンにその代わりとなる娘の姿を見出す。リックの手下を脅しているとき、メーガンは川岸で泥のパイを作っている。ただしこれはゾンビによる終末の世界だ。水が急に流れ込み、歯と肌を失ったゾンビを見つけ出してしまうのである。おそらく彼はあなたが掘り返した、まさにその地点に埋められていたのである。子どもたち、これを教訓にするように。
5位 木から吊るされたゾンビ(シーズン2 エピソード3 「最後の銃弾」)
アンドレアとダリルは森で陰惨な光景に遭遇する。
4位 帝王切開をされるゾンビ(シーズン3 エピソード2 「縄張り争い」)
妊娠中のローリは帝王切開で出産しなくてはならないことを知る。ハーシェルがゾンビに噛まれ、手足を失い、死に瀕した状態から回復途中であるため、キャロルは自分が出産を手伝うことになるのがわかっている。ありがたいことに周りには解剖用の屍体(歩いてはいるが)がごろごろしている。キャロルは自ら進んで女のゾンビを倒し、その屍体を刑務所の中に引きずり込む。そして身の毛もよだつような解剖の練習をする。
3位 ローリを食うゾンビ(シーズン3 エピソード5 「愛が狂った時」)

ゾンビに感染した刑務所は、出産するのに理想的な環境であるとは到底言い難い。ローリは出産後死ぬ(ゾンビになる時間はなかった。彼女の息子のカールが彼女の頭を吹っ飛ばしたからである)。遺されたリックは屍体を探し出そうとする。そしてローリを貪り食ったゾンビが満腹になり動けなくなっているのを見て、自分の妻に何が起きたのかを知る。1人の女性の体が丸ごと、1人のウォーカーの腹に収まってしまうのだ。恐ろしい。
2位 パンパンに膨らんだゾンビ(シーズン2 エピソード4 「涙に咲く花」)
見たことを記憶から消せないゾンビだ。ハーシェルの農場にいた人々は井戸から水を引こうとしていたとき、デールが井戸の中で水を跳ね散らかしているゾンビに気がつく。ゾンビを撃てば当然その内臓で水が汚染されてしまう。そのため一団はウォーカーを罠にかけようという結論を出す。
1位 少女のゾンビ(シーズン1エピソード1 「目覚めの朝」)
初めての体験を忘れることはない。それが理由だ。病院を出てすぐ、リックはかわいらしいピンクのナイトガウンを着て、テディベアを持った子どもを発見する。「そこの女の子」と彼は声をかける。子どもは振り返る。すると顎が半分失われ、顔色は死んだように蒼白であることが明らかになる。彼女は彼の脳を食べようと彼に向かってよろめきながら歩いてくる(このシーンは映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の、家族の不幸な再会を描いた伝説的なシーンに対する感謝の表明として見事である)。たとえその後 5シーズンに渡るグループの旅路でどれだけ多くのウォーカーたちを見たとしても、心の中にいまだに反響する、最初のゾンビを見たときのショックは何かが違う。我々は恐怖がやってくるのを目にした。その恐怖は我々の子どもたちという形をとっているのだ。こうしてウォーキング・デッドの白昼の悪夢が始まる。