ローリングストーン誌が選ぶ、2019年上半期のベストアルバム50枚のリストを紹介。さらに日本版の独自企画として、SKY-HIや菅野結以などアーティスト・著名人と、Rolling Stone Japanレギュラー執筆陣の計8名に、2019年上半期のベストアルバム10枚、ベストソング5曲をそれぞれ選んでもらった。


配信サービスの普及もあり、めまぐるしいペースで話題作が届けられるようになったここ数年。アクセスが容易になった反面、どうやっても追いつけないレベルの情報量や、年初のリリース作が遠い昔の出来事に思えてきそうなスピード感もあり、いわゆる「年間ベスト」のようなスパンで振り返るだけでは、シーンの動きをフォローするのが困難になってきている。

そこでRolling Stone Japanでは、広く音楽に精通したアーティスト・著名人及びレギュラー執筆陣に呼びかけ、2019年の前半を総括してもらうことに。また、記事の最後ではローリングストーンUS版によるセレクトをプレイリスト付きで紹介。読者/リスナーのみなさまにとっての指針となれば幸いだ。

▪️Index
1.阿刀"DA"大志
2.黒田隆憲
3.柳樂光隆
4.長谷川町蔵
5.若林恵
6.渡辺志保
7.菅野結以
8.SKY-HI
9.ローリングストーンUS版の上半期ベスト

1.阿刀"DA"大志

1975年生まれ、東京都北区出身。
アメリカ留学中にHi-STANDARDのメンバーと出会ったことをきっかけに、PIZZA OF DEATH RECORDSに入社。2011年に円満退社後、就職活動が上手くいかず、仕方なくフリーランスに。現在はBRAHMAN / OAU、フルカワユタカの宣伝を担当しつつ、Rolling Stone Japan、ナタリー、ヘドバン、PMCといった媒体で執筆業も。レギュラーで&MUSICの選曲も担当している。Twitter | Instagram
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◎ベスト・アルバム

●ジャミーラ・ウッズ『Legacy! Legacy!』
サカナクション『834.194』
●バロネス『Gold & Grey』
●Juice=Juice『微炭酸 / ポツリと / Good bye & Good luck!』
●アーク・エコー『You Wont Believe What Happens Next!』
●ピープル・アンダー・ザ・ステアーズ『Sincerely, The P』
●ディス・ギフト・イズ・ア・カース『A Throne of Ash』
●PassCode『CLARITY』
●ブリング・ミー・ザ・ホライズン『amo』
●ブルー&オー・ノー『A Long Red Hot Los Angeles Summer Night』

◎ベスト・ソング

●Juice=Juice「Good bye & Good luck!」
●サム・ヘンショー「Church feat. EARTHGANG」
私立恵比寿中学「曇天」
●バロネス「Seasons」
●Juice=Juice「25歳永遠説」

◎コメント

アルバム、シングルともに順不同。今年の上半期は好みの作品をやたらと見つけることができたので、選考はかなり悩みました。
ステラ・ドネリー、ユア・オールド・ドルーグ、NAMBA69、クレイグ・フィン、アンジュルム、NOT WONK、Turncoat、ビリー・ウッズ&ケニー・シーガル、ラファウンダ、the day、花澤香菜辺りもよかったと思います。年間ベストの1位はTHA BLUE HERBになりそうな予感。上半期ベストライブはニューロシス@渋谷O-EAST、ひなフェス@幕張メッセ、JUICE=JUICE@日本武道館。上半期は素敵な仕事にたくさん恵まれたので、下半期はもう多くは望みません。

2.黒田隆憲

ローリングストーン誌と8人の識者が選ぶ2019年上半期ベスト


フリーランスのライター。世界で唯一のマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン公認カメラマン。
昨年はポール・マッカートニー、今年はリンゴ・スターの日本独占インタビューを務めた。著書に『シューゲイザー・ディスク・ガイド』(共同監修)、『マイ・ブラッディ・ヴァレンタインこそはすべて』、『メロディがひらめくとき』など。
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◎ベスト・アルバム

●ビッグ・シーフ『U.F.O.F.』
●ビリー・アイリッシュ『WHEN WE ALL FALL ASLEEP. WHERE DO WE GO?』
●ジュリア・シャピロ『Perfect Version』
●ディアハンター『Why Hasnt Everything Already Disappeared?』
●カーリーン『The Quanta Series』
●アンジェロ・デ・オーガスティン『Tomb』
●スカート『トワイライト』
●ステラ・ドネリー『Beware of the Dog』
●イヴ・ジャーヴィス『The Same But By Different Means』
●Tempalay『21世紀より愛をこめて』

◎ベスト・ソング

●ジェイ・サム「Superbike」
●キング・プリンセス「I Know feat. Fiona Apple」
Suchmos「Water」
●べアバッドゥービー「Disappear」
●ジェイムス・ブレイク「Are You In Love?」

◎コメント

今年も序盤から目白押しで、選びきれず泣く泣く選外になった作品も多数。特にSuchmos『THE ANYMAL』とTHE NOVEMBERS『Angels』、そしてドレスコーズ『ジャズ』には、どれも前作からの”大化けっぷり”も含めて驚かされた。そしてリスト内では何といってもビリー・アイリッシュ。そのキャラ、カリスマ性はさることながら、ビートルズをルーツとする確かなソングライティングと、実験精神に富んだサウンド・プロダクションに痺れまくり。
ビリーといえばコーチェラ、コーチェラといえばPerfumeの活躍も今年上半期の大きなトピックの一つであり、下半期そして来年の東京五輪に向けて、彼女たちのさらなる躍進にも期待したい。それと余談だが、ベスト・ソングにも入れたキング・プリンセスの「I Know」には、ビリー・アイリッシュの遺伝子にも深く刻み込まれているフィオナ・アップルが参加していて(びっくりした)、そろそろ彼女もアップかましてきたか?と夢想中。あれ、そういえばマイブラの新作は……。

3.柳樂光隆

ローリングストーン誌と8人の識者が選ぶ2019年上半期ベスト

Photo by Hana Yamamoto

1979年、島根・出雲生まれ。音楽評論家。元レコード屋店長。
21世紀以降のジャズをまとめた世界初のジャズ本『Jazz The New Chapter』シリーズ監修者。共著に鼎談集『100年のジャズを聴く』など。《新しい音楽の学校》《音筆の会》を共催。
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◎ベスト・アルバム

●クリスチャン・スコット『Ancestral Recall』
●ブラッド・メルドー『Finding Gabriel』
●ケンドリック・スコット・オラクル『A Wall becomes a Bridge』
●ダン・テファー『Natural Machine』
●エティエンヌ・チャールズ『Carnival The Sound of a People vol.1』
●エンジェル・バット・ダヴィド『The Oracle』
●クリス・ポッター『Circuits』
●ジュリアン・ラージ『Love Hurts』
●アレニ・アグバビアン『Bloom』
●ゴッドウィン・ルイス『Global』

◎ベスト・ソング

●ダニエル・シーザー「RESTORE THE FEELING feat. Sean Leon & Jacob Collier」
●ゴールドリンク「U Say feat. Tyler ,The Creater & Jay Prince」
●フィリップ・ベイリー「Billy Jack」
●タンク・アンド・ザ・バンガス「Smoke.Netflix.Chill.」
●ジャミーラ・ウッズ「BASQUIAT feat. SABA」

◎コメント

ジャズ評論家なのでジャズ関連だけでベスト10を選んでみた。ジャズは、演奏と作曲のレベルが向上し続けているのと、それに加え自身の祖先/ルーツを辿ったり、歴史的な文脈/背景を取り込んでいたりと音楽が持つストーリーも豊かになるなど、レベルがどんどん高まって混沌としている。ブラッド・メルドーのようにゴスペル/聖歌を取り入れる流れや、ゴッドウィン・ルイスのようにリズムの起源をたどる過程でアフリカ~カリブのリズムの探求する流れもあり、それらが現代の理論/技術と合体して、新たなサウンドを生んでいる例も多数。
一方でダン・テプファーのようなテクノロジーを駆使した作品も完成度が高まっている。ただ現時点でのベストはぶっちぎりでクリスチャン・スコットだろう。

4.長谷川町蔵

ローリングストーン誌と8人の識者が選ぶ2019年上半期ベスト


Rolling Stone Japan本誌でコラム「SOUND &VISION」連載中。音楽や映画の紹介のほかにフィクションも書いています。最新刊は東京のあちこちを舞台にした連作短編小説『インナー・シティ・ブルース』(スペースシャワー・ブックス)。
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◎ベスト・アルバム

●タイラー・ザ・クリエイター『IGOR』
●ゴールドリンク『Diaspora』
●アンダーソン・パーク『Ventura』
●スティーヴ・レイシー『Apollo XXI』
●マルコス・ヴァーリ『Sempre』
●スクールボーイ・Q『CrasH Talk』
●ヴァンパイア・ウィークエンド『Father Of The Bride』
●ソランジュ『When I Get Home』
●マック・デマルコ『Here Comes The Cowboy』
●フライング・ロータス『Flamagra』

◎ベスト・ソング

●YG「Go Loko feat. Tyga, Jon Z」
●タイラー・ザ・クリエイター「GONE, GONE / THANK YOU」
●カーディ・B&ブルーノ・マーズ「Please Me」
●ブルース・スプリングスティーン「The Wayfarer」
●リル・ナズ・X「Old Town Road」

◎コメント

上半期ベスト・アルバムの1位は、タイラー・ザ・クリエイターの『IGOR』。山下達郎の実質カバー曲を含んでいたりと音楽的には無茶苦茶洗練されている一方で、相変わらず歪なところが残っているのが好み。こういう要素を失うとヒップホップじゃなくなってしまうと思うので。今年初めて旅行に行ったロサンゼルスの風景が思い出されてくるのも個人的にはプラスになった。そのロサンゼルスなんだけど、その後で行ったメキシコシティと区別が付かないくらいメキシコっぽいムードが至るところに漂っていたのが印象だった。そんなわけでウェッサイが誇るラッパー、YGがマリアッチを取り入れた哀愁ソング「Go Loko」を上半期ベスト・シングルにしました。

5.若林恵

ローリングストーン誌と8人の識者が選ぶ2019年上半期ベスト


1971年生まれ。編集者。2000年にフリー編集者として独立。以後、雑誌、書籍、展覧会の図録などの編集を多数手がける。音楽ジャーナリストとしても活動。2012年に『WIRED』日本版編集長就任、2017年退任。2018年、黒鳥社(blkswn publishers)設立。著書『さよなら未来』(岩波書店・2018年4月刊行)、責任編集『NEXT GENERATION BANK 次世代銀行は世界をこう変える』(黒鳥社/日本経済新聞出版社)。https://blkswn.tokyoTwitterFacebookで「blkswn jukebox」と題し、気になる新譜を毎日紹介。

◎ベスト・アルバム

●マネキン・プッシー『Patience』
●ドーン・リチャーズ『new breed』
●ゴールドリンク『Diaspora』
●アリ・レノックス『Shea Butter Baby』
●リファファ『Jaago』
●ファイアー!・オーケストラ『Arrival』
●キャロライン・デイヴィス、マット・ミッチェル、グレッグ・ソーニア『Alula』
●クレヴァー・オースティン『Pareidolia』
●ジェイミー・サフト、スティーヴ・スワロウ、ボビー・プレヴァイト『You Dont Know The Life』
●エンジェル・バット・ダヴィド『The Oracle』

◎ベスト・ソング

●ピュア・ベイシング・カルチャー「Devotion」
●ジャミーラ・ウッズ「BASQUIAT feat. Saba」
●ベビー・ローズ「Borderline」
●コフィー「Rapture (Remix)」
●ケイト・テンペスト「Peoples Faces」

◎コメント

ビヨンセとビッグ・シーフは神棚行き。なので除外。次点でゴールドリンクとドーン・リチャーズ。最も再生回数が多かったのはアトランタの新生ベビー・ローズのシングル3曲とジャマイカのライジングスター、コフィーだろうか。ロックでは、マネキン・プッシーが群を抜く出来。ジャズ/クラシック界隈は、色々と聴きモノはあったけれど繰り返し聴いたのは、このあたり。名作だからといってそれが自分に寄り添う一枚になるわけでもなく、結局変わり種のような作品を愛聴してしまう。シカゴのレーベルInternational Anthemは相変わらずの快調ぶり。ここではエンジェル・バット・ダヴィドのオブスキュアな作品を。ハイエイタス・カイヨーテのドラマーのソロプロジェクト、クレヴァー・オースティンもDIY感溢れる愛すべき作品だ。個人的な大発見は、ニューデリーの鬼才リファファと彼が率いるバンド、ピーター・キャット・レコーディング・カンパニー。インドの新しい才能の活躍はジャズ界隈でも目覚ましいが、音楽偏差値の高いこういう輩が世界の辻々にいるのかと思うと、音楽聴いてる時間がほんとに足りないことを痛感。世界は狭くなっているというけれど解像度が上がった分だけ、広くなってもいるのだ。

6.渡辺志保

ローリングストーン誌と8人の識者が選ぶ2019年上半期ベスト


音楽ライター。主にヒップホップ関連の文筆や歌詞対訳に携わる。これまでにケンドリック・ラマー、エイサップ・ロッキー、ニッキー・ミナージュ、ジェイデン・スミスらへのインタビュー経験も。block.fm「INSIDE OUT」を始め、ラジオMCとしても活躍中。共著に『ライムスター宇多丸の「ラップ史」入門』などがある。
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◎ベスト・アルバム

●YG『4REAL 4REAL』
●タイラー・ザ・クリエイター『IGOR』
●2チェインズ『Rap Or Go To The League』
●デンゼル・カリー『ZUU』
●ミーガン・ジー・スタリオン『Fever』
●フレディ・ギブス&マッドリブ『Bandana』
●スクールボーイQ『Crash Talk』
●リトル・シムズ『GREY Area』
●NAV『Bad Habits』
●ブギー『Everythings for Sale』

◎ベスト・ソング

●J.コール「Middle Child」
●ブルーフェイス「Thotiana (Remix) feat. Cardi B & YG」
●プライズ「Drip 4 Sale」
●リゾ「Exactly How I Feel feat. Gucci Mane」
●ダベイビー「Suge」

◎コメント

今回の個人選には入れなかったけれど、何といってもリル・ナズ・X「Old Town Road」のチャート制覇(現時点で13週連続1位!)は今年上半期のヒップホップ・シーンきっての話題に。しかし、カニエ軍団の連続リリースやドレイクの2枚組作品、ケンドリック・ラマーのピュリッツァー賞受賞などのトピックが続いた昨年の上半期と比べると、いささかおとなしかったな、というのが個人的な印象です。ただ、アメリカのヒップホップ・シーンにおいてもUKラッパーたちの作品が高く評価されたり、フランスやドイツなど、欧州諸国のラッパーたちの曲がストリーミング・チャートで上位に登ったりと、より大きな地殻変動が発生している時期なのかな?とも思う。この流れに乗って、ますますアジアのヒップホップ・シーンも存在感を増していってほしいなと願います。そして、みんな平和に過ごしてほしい。

7.菅野結以

ローリングストーン誌と8人の識者が選ぶ2019年上半期ベスト


10代の頃から人気雑誌「Popteen」 のモデルとして活躍し、カリスマモデルと称される。現在はファッション誌「LARME」メインモデルをつとめる傍ら、自身のアパレルブランド「Crayme,」、コスメブランド「baby+A」のプロデュースも手掛け、独自の世界観と美意識が絶大な支持を集めている。また音楽や文芸にも造詣が深く、ラジオパーソナリティ、DJ、各種オーディション審査員を務めるなど "文化系モデル"として活動は多岐に渡る。これまで出版された著書は7冊、SNSの総フォロワー数は約100万人。Instagram | Twitter | 公式LINE

◎ベスト・アルバム

●フライング・ロータス『Flamagra』
●ケミカル・ブラザーズ『No Geography』
●ジェイムス・ブレイク『Assume Form』
●タイラー・ザ・クリエイター『IGOR』
●ビリー・アイリッシュ『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』
●トム・ヨーク『ANIMA』
●トロ・イ・モア『Outer Peace』
●ソランジュ『When I Get Home』
●THE NOVEMBERS『ANGELS』
●Dos Monos『Dos City』

◎ベスト・ソング

●カーリーン「EVER」
●ライ「Needed」
●Tempalay「のめりこめ、震えろ。」
●NOT WONK「Down the Valley」  
●millennium parade「plankton」

◎コメント

これがたった半年間の出来事だなんて!と思わずにはいられない濃厚ラインナップ。特にケミカル、フライロー、トム・ヨークなどベテラン勢によるさすがの傑作が並ぶ中、”1stアルバムの爆発力”が際立っていたのが印象的な半年間でした。ビリー・アイリッシュの大旋風を筆頭に、ブラック・ミディやカーリーン、日本ではDos Monosや君島大空、(アルバムではないけど)millennium paradeなど、これからあたらしい時代を創っていくであろう若き才能の鮮烈な”一枚目”にとてもわくわくさせられました。下半期に来日するアーティストも多いので楽しみ! ベスト・ソングはベスト・アルバムに漏れた作品の中から選んでいます。

8.SKY-HI

ローリングストーン誌と8人の識者が選ぶ2019年上半期ベスト


ラッパー、ソングライター、歌手など幅広く活動を行うアーティスト。2005年にAAAのメンバーとしてデビューし、同時期からSKY-HIとして都内クラブで活動をスタートさせる。2018年12月に4thアルバム「JAPRISON」を発表。2019年9月4日にはSALUとのコラボレーションアルバム「Say Hello to My Minions 2」をリリース。同日より東名阪と韓国、香港、台湾を巡るアジアツアーを開催する。

◎ベスト・アルバム

1. マーク・ロンソン『Late Night Feelings』

ちょうどこんなの聴きたかった大賞です。トラップ以降のグルーヴが全てを飲み込んでる時代だからこそ染みる。

2. OZworld aka Rkuma『OZWORLD』

日本でトラップのノリをやりながらオリジナリティがあって、しかもずっと聴けるアルバムってそうはなかった気がするしニューカマーでこの独創性って最高です。もう次作が聴きたい。

3. Jay Park『The Road Less Traveled』

現行のシーンにがっつりいながらこういう解答をラップミュージックのシーンに、しかもめちゃ高いクオリティで出してくる中堅ラッパーの鏡……。1曲目を再生した時アーティスト間違えたかと思いました。最高!

4. ジュース・ワールド『Death Race For Love』

エモーショナルだし生感を丁寧に取り入れてくる辺りやメロディとフローの更新が凄い好きでした。日本でもファンが多い印象あります。

5. PnBロック『TrapStar Turnt PopStar』

いわゆるトラップのマナーの転換期だよなーと思いながら聴いてました。現行のアプローチをやりきった感と次を試行錯誤してる感があるので、PnBロックは次あたりいきなり全然違うテンションの曲とか作り出しそう。

6. Kan Sano『Ghost Notes』

世界で一番かっこいい鍵盤弾きのアルバムが日本から出てしまった気がしてます、大袈裟じゃなく来年グラミー獲っても全然驚かない。

7. ビリー・アイリッシュ『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』

なんやかんや言っても上半期ベストは皆これなんじゃないですか……! ここ数年皆がずっと探してた解答を出されてしまったような気がします。

8. リトル・シムズ『GREY Area』

フィメールの中で、と括る必要は全くなくて、単純に全ての作品の中で一番ラップがパワフルでカッコいいアルバムかも。コーチェラで見て一番興味持ったのもこの人でした。

9. J.コール『Revenge Of The Dreamers III』

これ書いてたら出ました(笑)。今書きながら2周目なんですけど最高すぎる……!!!!!!!!!!!!!!
超オーセンティックな事やっても焼き直しにならないし、トラップ以降のフローを出しても超新しい。全部オリジナルだしクレイジー。超リリカル。これがこれからの基準になりそうだし今出たばっかでテンション上がってるの差し引いても上半期ベストかも。

10. アンダーソン・パーク『Ventura』

期待通り、っていう感じのアルバムでした。どこまでもルーツミュージックだしどこまでも新しい、みたいなのを多分一生裏切らなさそう。

◎ベスト・ソング

●J.コール「Middle Child」
ちょっとベストソング選びようがないので選べないんで基本上のアルバムから選びました。俺もミドルチャイルド!わかるわかる!ってなりました。比喩が相変わらずリリシズムに溢れていて大好きです。

●ビリー・アイリッシュ「you should see me in a crown」
一番ぶっ飛んだのこれかなやっぱり。耳から入れるタイプのドラッグ。

●リトル・シムズ「Offense」
とにかくラップがカッコいいです。オーセンティックすぎて逆に新しい。”女性版ケンドリック”みたいな呼び名はもう失礼だと思いました。

●Kan Sano「House of mine」
上のアルバムからのReworkがまた最高だったので載せさせてください。一生聴ける。ツッコミぎみに揺らぐドラムとローファイな上物……。

●リル・ナズ・X「Panini」
一発屋じゃなさそうですね。個人的には「Old Town Road」よりこっちのが好きかも。来年にはアンセムメイカーになって、いい意味でもっとポップな立ち位置にいそうな気がします。

 
◎コメント

上半期だけでベストとか無理だろーとか思ってたんですけど、いざ書くと思ってた以上に書ききれなかったです……。書きこぼしありそうなので先に謝っておきます。BTSも入れたかったんだけど、J.コールがいきなりアルバム出すから……。特に単曲やEPのリリースが多い時代なので本当に選ぶの難しかったです。

トラップが全てを飲み込んだ数年前から、ここ2年くらいは転換期と言われ続けてたけど、完全に次のリズム、グルーヴ、メロディに移行した感もあるし個人的には興味はその移動した先にあります。回帰でも抵抗でも革新でもなくて、ナチュラルに、今っぽく言えばドラスティックに更新されていく音楽シーンは、本当に人類史上一番面白いんじゃないですか。

自分も本当にいい意味でやっと色んなことがどうでもよくなって、冬から春は心から愛するバンドやダンサーと最も納得いくツアーを回れたし、5~6月は本当に好きな友達と本当に好きなように音楽をやることに集中できました。そうやって出来たSALUとのアルバムを引っさげてアジアの色んなところへ行くわけですけど、希望しかないです。音楽を長いことやっていますけど今が心身ともに一番充実しています。  

※関連記事:SKY-HIの2018年総括「アジアから置き去りにされた日本と、閉塞感を救った音楽の力」

〈リリース情報〉

SKY-HI×SALU
『Say Hello to My Minions 2』
2019年9月4日リリース
購入・配信リンク:
https://avex.lnk.to/skyhi_salu

〈ツアー情報〉

SKY-HI×SALU
「Say Goodbye to the System」

2019年9月4日(水)東京・Zepp DiverCity TOKYO
2019年9月24日(火)大阪・なんばHatch
2019年9月25日(水)名古屋・DIAMOND HALL
2019年9月29日(日)韓国 ソウル(※詳細後日発表)
2019年10月1日(火)中国 香港(※詳細後日発表)
2019年10月4日(金)台湾 台北(※詳細後日発表)

公式サイト:
https://avex.jp/skyhi/

9.ローリングストーンUS版の上半期ベスト

「The 50 Best Albums of 2019 So Far」と題した記事でローリングストーンUS版がアイコンに起用したのは、プリンスとの接点もあるミネアポリス出身のビッグガールことリゾ、日本でも大旋風を巻き起こしているビリー・アイリッシュ、6年ぶりの新作を発表したヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ・クーニグという3組。

さらに記事の序文で、2019年の前半についてこのように振り返っている。

「今年はすでに、ビヨンセのライブアルバム、ジェニー・ルイスのLA物語、スプリングスティーンのウェスタン・アドべンチャーといった重要作が発表されているほか、ステラ・ドネリー、ワイズ・ブラッド、ジャミーラ・ウッズといった将来を担うアーティストの作品も世に出ている」

以下、ラップ、R&B、ロック、ポップスなどジャンル不問で、US版がセレクトしたベストアルバム50選(順不同)。日本版に関連記事があるものはリンクを用意した。

1.リゾ『Cuz I Love You』
2.ブルース・スプリングスティーン『Western Stars』
3.ビリー・アイリッシュ『When We All Fall Asleep, Where Do We Go?』
4.ヴァンパイア・ウィークエンド『Father of the Bride』
5.ビヨンセ『Homecoming』
6.ケイジ・ジ・エレファント『Social Cues』
7.タイラー・ザ・クリエイター『IGOR』
8.アリアナ・グランデ『Thank U, Next』
9.ジェニー・ルイス『On the Line』
10.ソランジュ『When I Get Home』

11.シャロン・ヴァン・エッテン『Remind Me Tomorrow』
12.マルマ『11:11』
13.マレン・モリス『Girl』
14.ジャミーラ・ウッズ『Legacy! Legacy!』
15.フェイ・ウェブスター『Atlanta Millionaires Club』
16.オルダス・ハーディング『Designer』
17.アンダーソン・パーク『Ventura』
18.カーリー・レイ・ジェプセン『Dedicated』
19.ジュース・ワールド『Death Race to Love』
20.ザ・ナショナル『I Am Easy to Find』

21.ケイト・ル・ボン『Reward』
22.チャーリー・ブリス『Young Enough』
23.クレイグ・フィン『I Need a New War』
24.エンパス『Active Listening: Night on Earth』
25.エクス・ヘックス『It』s Real』
26.フライング・ロータス『Flamagra』
27.ゲイリー・クラーク・ジュニア『This Land』
28.ジェイ・ポール『Leak 04-13 (Bait Ones)』
29.ジェフ・トゥイーディ『Warmer』
30.マック・デマルコ『Here Comes the Cowboy』

31.マーク・アンソニー『Opus』
32.ムーン・トゥース『Crux』
33.プリースツ『The Seduction of Kansas』
34.リアノン・ギデンズ『There Is No Other』
35.リコ・ナスティ&ケニー・ビーツ『Anger Management』
36.シグリッド『Sucker Punch』
37.SOB X RBE & ヒットボーイ『Family Not a Group』
38.ステフ・チュラ『Midnight』
39.ステラ・ドネリー『Beware of the Dogs』
40.スティーヴン・マルクマス『Groove Denied』

41.Supa Bwe『Just Say Thank You』
42.ザ・メコンズ『Deserted』
43.ザ・マウンテン・ゴーツ『In League With Dragons』
44.トッド・スナイダー『Cash Cabin Sessions Vol. 3』
45.ウィーザー『The Black Album』
46.メイヴィス・ステイプルズ『We Get By』
47.サンタナ『Africa Speaks』
48.ワイズ・ブラッド『Titanic Rising』
49.ビッグ・シーフ『U.F.O.F.』
50.カレン・0 & デンジャー・マウス『Lux Prima』