ハイキング中に殺害された少女が最後に見たものとは？　容疑者逮捕へ米

米インディアナ州デルフィのハイキングロードで2人の少女が遺体で発見されてから6年あまり。10月31日、警察は殺人事件の容疑者を逮捕したと公表した。おなじくデルフィ出身のリチャード・M・アレン容疑者（50歳）は、「リビィ」ことリバティ・ジャーマンさん（当時14歳）と友人のアビゲイル・ウィリアムズさん（当時13歳）を殺害した容疑で先月26日に逮捕され、28日に起訴された。【動画を見る】「丘を下っていけ」謎の指示が映像には残っていた2017年2月13日、ともに中学2年生だったリビィさんとアビゲイルさんは、学校の休みを利用して、廃線になった近所の鉄道橋をハイキングしていたところ、行方が分からなくなった。2人は翌日遺体となって発見されたが、現在に至るまで事件は未解決のままだった。事件は全世界の注目を集めた。理由のひとつは、少女の1人が携帯電話で撮影した動画に、警察が犯人と目星をつけた男が映っていたためだ。動画のひとつには、男が少女たちの後をつける様子が映っていた。別の動画には、「丘を下っていけ」と語る声が録音されていた。このフレーズは、事件を扱ったHLNの実録犯罪podcast『Down the Hill: The Delphi Murders』のタイトルにもなった。遺族の中にはメディアの注目を歓迎する者もおり、事件が継続してニュースで取り上げられるよう計らった。リビィさんの祖父母は2021年に公開書簡を公表し、事件について取り上げ続けるよう世間に訴えた。最近では、リビィさんの姉ケルシー・ジャーマンさんが「クライム・コン」のパネルディスカッションに登壇した。昨年には、逮捕につながる情報提供者への報酬が30万ドルに増額された。ケルシーさんは10月21日、「ついに今日、この日がきた」とツイート。翌週月曜日には、拘束されたアレン容疑者と逮捕を告げる報道声明の画像を添えて、「ついに捕まえた。10月28日が記念すべき日だ」と投稿した。警察は記者会見で逮捕と起訴を発表し、捜査に協力した連邦・州・地元当局と情報提供者に感謝を述べた。だが警察は事件に関する証拠に関してはノーコメントで、動画に映っていた男がアレン容疑者かどうかについても言及しなかった。またアレン容疑者の逮捕の根拠になったとみられる供述書や起訴状は非公開とされ、当面は一般公開されないとも語った。ニコラス・マクリーランド地方検事は、こうした情報を差し控えることは「珍しい」と認めながらも、事件の行方がかかっているのだと述べた。「証拠について説明する機会を設けたいとは思っていますが、証拠の価値が失われたり損なわれたりするのは避けたいのです」とマクリーランド氏は述べた。また近日中に公聴会が行われ、書類をこのまま非公開にしておくかの判断が行われるとも付け加えた。警察はアレン容疑者にたどり着いたきっかけや、容疑者として浮上した時期、共犯者がいる可能性などについての質問に返答しなかったが、情報提供ホットラインは今も受付中で、警察は引き続きアレン容疑者やその他容疑者の可能性について一般からさらに情報を集めていると述べた。「まだ捜査は終了していません」とマクリーランド氏は述べた。「それゆえ、情報提供ラインやメールアカウントもオープンにしたままです。現時点ではなんとも推定できませんが、引き続き情報提供を受け付け、どんな情報でもお待ちしています。集まったあらゆる情報を吟味しながら、引き続き事件を検証し、今後の流れを見てゆきたいと思います」アレン容疑者は出廷し、無罪答弁を行った。現在は保釈金なしで拘留中。1月には予備審問で出廷し、公判は2023年3月に予定されている。アレン容疑者に弁護人がついているのかについては、すぐには判明しなかった。インディアナ州裁判所の資料によれば、同容疑者は無謀運転など交通違反で逮捕された前科があり、飲酒運転で2度有罪判決を受けている。From：Suspect Charged in Delphi Murders