I Don't Like Mondays.がデビュー10周年第1弾となる新曲「New York, New York」を4月24日に配信した。YU(Vo.)は以前からNew Yorkをタイトルに入れた楽曲を作りたいと考えていたが、彼の中で思い入れのある街だからこそハードルが高かったと言う。
KENJI(Bas.)はもともとUKサウンドに強い影響を受けており、いつか自分たちの音楽でもそれを打ち出したいと思い続け、10年という歳月を経て形になって。そんな4人にとって特別な楽曲は、どのように完成したのか? そして10周年を記念して開催される「ISLAND TOUR」と「"FOCUS” ASIA TOUR」に対する想いを聞いた。

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─Snow Manに楽曲提供された「LOVE TRIGGER」が、発売から2日で103万枚を売り上げてミリオンを達成しました。初週でのミリオン突破は、Snow Manにとって初の快挙だそうです。皆さんのもとにも反響は届いてますか?

YU:ありがたいことに、たくさん届いていますね。一番嬉しいのは、僕らが楽曲提供したことが発表される前に「この曲はアイドラが提供したんじゃないか?」と僕らのファンが反応してくれて。
みんなが曲だけで気づいてくれたのは、すごく嬉しかったです。

─そもそも楽曲を書かれることになった経緯は?

YU:前々からSnow Manの岩本(照)くんが僕らのファンだと言ってくれていて、ライブも観に来てくれていたんですね。そしたら、彼が初主演を務めるドラマ(『恋する警護24時』)主題歌のコンペにお誘いいただきまして。これは絶対に勝ち取りたいと思って、4人で全力投球した結果、「LOVE TRIGGER」を選んでもらいました。

SHUKI:Snow Manはダンスグループなので、やっぱりステージ上で映える曲がいいなと思いまして。チルよりもインパクトがある曲にしようと。
みんなでイメージを考えた結果「2021年に出した『美しき世界』みたいな、ああいう聴いていて飽きない仕掛けを盛り込んだ、面白い曲を作りたいね」と決まりまして。そこから本格的に楽曲制作がスタートしました。

YU:Snow Manにとってベストな曲調であることはもちろん、そこだけに終始するんじゃなくて。自分たちが演奏してもイケてると思えるもの──バンドカラーがちゃんと入ってる曲を作ろうということで、そこはかなり気をつけました。

KENJI:音作りは大変でしたね。ほとんどシンセベースで構築していったんですよ。
今までは自分の中でシンセベースは重なれば重ねるほどいいし、フレーズに音圧が出ていいじゃん、と思っていたんですけど、そこの抜き差しのやり方は結構いろんな世界の音楽を勉強して「こうしたら面白いかな」って、これまでで一番探りました。I Don't Like Mondays.の作品以上に、かなりの熱を入れて作りましたね(笑)。

─ハハハ、オリジナル曲かそれ以上に試行錯誤したと。

KENJI:こんなに頭が壊れそうになるくらい考えた曲はなかったですね。その結果、すごくカッコ良くなったので本当に満足してます。

CHOJI:僕は歌のグルーヴというか、勢いを支えるようなギターを弾きたいなと思って演奏しました。
自分達の曲で言うと「MR.CLEVER」と近いものがある。あとはDメロでかなり面白い進行ができて、また1つ曲の持つドラマ性が上がったかなと思います。

─音楽のジャンルで言うとハウスだと思うんですけど、1曲の中で音色がどんどん変わっていくのが面白いですよね。

KENJI:そうなんですよ。それがめちゃくちゃ大変で!

YU:あと、バンドだったら僕一人で歌うからできないんですけど、激しくボーカルワークが展開しても9人での歌い分けがあるので、バンドだったらできないようなトライもしましたね。

SHUKI:それは楽しかったよね。
譜割を結構詰め込めるから。

YU:1人だったら息が続かないところを「ここにも音符を乗せたい」と思って、歌うパートを分けることでうまく調整できたよね。

─ボーカルの話が出ましたけど、この曲はYUさんのニュアンスを意識しながら9人が歌っている感じがして。

SHUKI:そうなんですよね!

YU:一般的にコンペで楽曲を提出する段階では、仮で適当にはめた歌詞だったり、ゆるりと提出される方が多いと思うんですけど、僕らは絶対に決めたかったので、ガチガチに曲も演奏も固めた上でレコーディングして。ボーカルもしっかり歌った音源を提出させてもらいまして。それをメンバーの方々も聴き込んでくれたみたいで、僕らが表現したいニュアンスもビックリするぐらい再現してくれたりとか、むしろそれ以上のクオリティで表現してくださったので、出来上がった音源を聴いて「おお!」と興奮しました。


─あと、改めてSnow Manって歌唱力がものすごく高いぞと思いました。「LOVE TRIGGER」を歌い上げるのって、結構難しいですよね。

一同:そうそう!

CHOJI:僕らも、皆さんのポテンシャルの高さにめちゃくちゃ驚きました。

SHUKI:正直「ちょっと歌えるかな?」と思いつつ提出したんですけど、本当に高いレベルで歌い上げてくれてビックリしました。

─今回「LOVE TRIGGER」を作ったことで得たものはありましたか?

YU:自信になりましたね。僕らがいいと思ったものを採用してもらえたこともすごく嬉しいし、それがSnow Manの新しい記録を打ち出せたりとか、僕らバンドだけでは届けられない層の方々にも曲が届いたな、と思います。バンドとしての幅も広がったので、本当に感謝しかないですね。

─YUさんが「GOETHE」で連載されている記事の中で、楽曲提供やタイアップ曲を作るにあたって以前は「求められていることを瞬時に理解して、応えられちゃうからこその葛藤みたいなものがあった」と言ってましたよね。それを感じたのは、どのタイミングで?

YU:僕らは常に「自分達のアイデンティティはどこにあるのか?」と探り続けていて。デビュー10年目にして、ようやく気付けたんですよね。そこに至るまでに、もちろん今までも曲をリリースしたり、楽曲提供させてもらうときは全力投球でやってきたんですけど、振り返ってみると「もっとできたかもな」とか「もしかしたら、寄り添い過ぎちゃったかな」という反省もあって。僕らはかなり話し合って曲を作るタイプなので、ロジカルに作るがゆえの弱点というのがあった。だけど、ある一定の部分は感覚に任せることで、クリエイティブの質があるのかな?と思ったりして。そういうトライ・アンド・エラーをし続けてきたので、自然と精度が上がってきたのかなって思うんです。なので「明確にここで変わった」というより、徐々に気づいてきて。今もその成長過程だなと思ってます。

─僭越ながら、YUさんの言ってることにすごい共感したんですよ。僕もYUさんやSHUKIさんと同学年で、同じくらいキャリアを重ねていると、相手の期待に応える方法とか、求められてるものをどう返すのかも経験則で「今回はそっちのパターンだな」と察しがつくんですよ。

YU:そうなんですよね。そこまで分かってきたときにライターの方もそうだと思うんですけど、何かを表現する世界にいる方って仕事をする意味では、スキルが身についてきて楽になってくる。「きっと、求めているのはこれでしょ?」と提出しがちなんですよね。「とはいえ表現者として、それでいいのか?」というせめぎ合いは、年齢や経験値を重ねれば重ねるほど生まれる。若いうちはそういうこと考えずに「もうコレしかない!」と思えたけど、視野が広がって、良くも悪くも器用になってしまった自分との葛藤みたいなのがあって。求められていることに応えるだけなら、自分たちじゃなくてもいい。自分たちらしさもしっかり注入することの大事さ、そこに気づけてよかったなと思いますね。

─新曲「New York, New York」についてもお聞きしますね。YUさんは前々からニューヨークを題材に曲を作りたいと思っていたけど、中々それが形にならなかったそうですね。

YU:はい、ニューヨークは僕が高校時代に暮らしていた街であり、音楽をすごく聴くようになったのもニューヨークにいたときなので、とにかく思い入れが強いんです。僕の中では”いつか使いたい曲名のリスト”にニューヨークがあったものの、パンチが強いワードだからこそ、なかなか「これで行こう」と思える曲に至らなかった。だけど、Snow Manの楽曲提供が終わった後のシングルだとか、今年がデビュー10周年イヤーであるとか、さらに今年は僕らがバンドサウンドで勝負しようと思ってることとか、いろいろな要素が重なって「タイトルにニューヨークを入れるのは今しかない」と思ったんですよね。

─歌詞はどのように考えたんですか?

YU:わりと直感ではありますね。タイトルは「New York, New York」ですけど、僕は日本で生活をしているわけで、そんな自分でも歌える歌詞にしたくて。出来上がったときに「あ、これだな」と思ったんです。

─SHUKIさんは「今自分達が1番やりたい音を作ろうと辿り着いたのはUKロックサウンドでした」と公式コメントを出されていましたね。

SHUKI:個人的な見解なので「それは間違ってる」という意見もあると思うんですけど、アメリカのビルボードチャートはみんなが聴いていいと思う曲が多い。一方でUKのチャートって「なんでこの曲が1位を獲れたんだろう?」と思うぐらい聴きづらい曲も1位になったりしていて。そういう意味で、反骨精神っていうか周りに媚びず「自分が好きだからこういう音なんだ」という気概を僕はUKサウンドに感じていて。去年から「俺らはバンドサウンドでやっていこう」と決めたからこそ、マインドもサウンドも含めてUK感を出せたのかなと思います。

─音を作る上で大事にされたポイントは?

SHUKI:まずは、バンドサウンドを第一に考えました。僕らは普段DTMに向かって曲を作っていて、特にドラムはレコーディング当日に初めて叩くことが多かったんです。だけどライブを意識して「4人の音だけでどこまでいけるか」を強化したいので、最近はレコーディング前にスタジオへ入って、しっかりと演奏を固めてからレコーディングをして。それによってライブの再現度も高いし、バンドでしか出せないサウンド感を作れたなと思います。

─生ドラムだけのアプローチは、だいぶ珍しいですよね。

SHUKI:これまでは打ち込みも多かったし、生ドラムと打ち込みを重ねることも多かったんですけど、最近それが窮屈だなと思っていて。今までだったら生バンドで行っても、打ち込み──例えば世界中の曲を聴いて「これに負けないように」と考えていたんですけど、逆にそこで負けても別で勝てばいいかなと思えるようになりまして。もちろん聴き比べる曲によっては「もっとドラムをこうしたら?」という考え方もあると思うんですけど、この曲はこの曲でこういう良さがある、と振り切っているのがいいなと思ったので、今回は生だけで行きました。

─ドラムの生感もありつつ、その色が強く出過ぎていない絶妙なバランスに感じました。

SHUKI:そうですね。UKっぽさを出すために、本当は1サビ2サビもラストサビみたいに叩くのが普通なんですけど、そこは僕らのキャラを考慮した上で行き過ぎないようにしました。ちょっとした余裕感であったり、UKサウンドを大事にするために、要所要所で抑えて叩きましたね。

KENJI:僕の場合は、そもそものルーツがUKの音楽なので、「New York, New York」はデビュー当時からやりたかった方向性なんです。それが10年経ってようやく形にできたのがすごく嬉しいんですけど、当時と違う感覚で言うと、そのときだからできる若々しさがあるし、今だったら今やれる大人っぽいカッコよさがあると思っていて。あまりがむしゃら感が出過ぎないように、結構音をまびいてシンプルにしつつ、でもちょっと変にしたい。そういう違和感も大事にしながらも、ギターが突き進んでいく感じなので、そこはできる限り抑えてポイントポイントでちゃんとフックになるように意識しましたね。

CHOJI:今回はバンド感を大事にしたいっていうことで、エフェクターを最初からオンの状態にしていて。リバーブとかディレイっていうエレクターをオンにすると、それでレコーディングされてしまうので、そうすると音像が遠くに行ってしまうんです。もっと手前に近づけたいと思っても戻れないわけですよ。それも加味した上で、この音色で行きたいって決め打ちで弾いたのが、僕の中で一番大きなトライでしたね。あと、細かいところにフレーズを入れて行ったのも、今聴いている音楽のフレージングから影響を受けて弾いたりとか。僕が大好きなザ・キラーズっぽいボイシングとか、結構コピーしがいがあるかなって。自分が他のバンドとして聴いたときに「面白いことやってるな」と思える要素をちゃんと詰め込めたなと思います。

─仰る通り、かなりディレイが効いて存在感は立っているんですけど、どこか爽やかで透明感がありますよね。

CHOJI:透明感が出ているのは、僕の使ったリバーブのおかげかもしれないですね。今回はマイク選びから結構こだわっていて、そういう意味ではギターとアンプとエフェクターで完結するというよりは、録る音のマイクとか、空間の感じとかも話し合いながら狙っていけたことで1つ自信がつきました。

─疾走感とその綺麗な印象だったりもありつつ、ちょっと男っぽい武骨な感じもある気がして。

CHOJI:サビのコード進行が結構変わっていて、それも男っぽいロック感に繋がってるのかなと思います。あとは、ファズというエフェクターがあるんですけど、今回はファズ大会ということでドイツのファズとかいろいろと並べて試したんですよ(笑)。それをブラインドで「あ、コレがいい」とか確かめていったのが、男っぽさに繋がっているのかもしれないですね。

─YUさんは歌う上で、どんなことを大事にされましたか?

YU:今までは緻密に歌い方を決めてからレコーディングに臨んでいたんですけど、今回は「ここはこうしよう」と考えるよりも感覚で歌っていて。強いて言えは、サウンドに合わせて自分もバーンってやっちゃうと、僕らが望んでるサウンド感にはならないので、あえて内に秘めて歌うのを意識しました。とはいえ、ただ淡々と歌うんじゃなくて、内に秘めてるのを歌声で表現して歌うのは心がけたポイントですね。

─曲調やサウンドは爽やかな印象なんですけど、歌詞を読むと別れた彼女を思い浮かべる切ない焦燥感を感じたんですよね。つまり、この曲は歌詞と音にいい意味でギャップがある。しかもこのサウンドに乗せて歌うことで、ウェットになりすぎないというか、しんみりしすぎない感じがすごく面白かったです。

YU:そこに気づいていただけたのはすごく嬉しいです! ニューヨークという街を、歌詞の中でどう登場させるのがベストなんだろう?というのは、かなり考えていたところで。主人公はニューヨークにいないんですよ。なぜなら、僕がここにいるので。その場にいないで、あの街を思い出すために、どういう設定にしようか考えた結果、自分の元から離れてしまった彼女の唇がニューヨークを思い出させた<Her lips reminds me New York>というフレーズが、この曲にピッタリだなと。コード進行やUKサウンドっぽい靄がかかったような疾走感の中で歌うっていう、そこのバランスが重要で。いわゆる明るい曲にこの歌詞の内容だと絶対にダメだったし、本当に偶然の産物でした。

─今作は以前から温めていたニューヨークを舞台にした楽曲であり、10周年イヤーのリリース第1弾という、バンドにとって重要な位置付けの楽曲なのかなと思います。

YU:新生I Dont Like Mondays.のデビュー曲って感じですかね。デビューからの10年は、自分達のスタイルを見つける旅に出ていた。いろんなことをやりながら「俺らはこういうのが好きなんだな」とやってみないと分からなかった。これまでも好きな曲しかリリースしていないので、過去作も全部好きですけど。その中で好きの密度が研ぎ澄まされて、今コレを出したいなってメンバー全員の気持ちが一致した曲が「New York, New York」。10年で築いた土台があるからこそ生まれたわけで。そういう意味では、自分たちの中では新しいデビューシングルだなと思いますね。

─リリース後には、デビュー10周年を記念して4月30日から本州以外の全国13都市で「ISLAND TOUR」が開催されて、秋からの8都市10公演に加え、国外公演も含めたバンド初となるアジアツアー「"FOCUS” ASIA TOUR」も決まっていますね。

SHUKI:「ISLAND TOUR」に関しては、僕らのことを初めて観るお客さんがたくさんいると思います。バンドサウンドで行こうと固まったからこそ、ライブをこれだけ多くやれるのは、僕らにとっても一番いいタイミンだなと思いますね。アジアツアーに関しては、昨年から海外でたくさんライブをやらせてもらえる機会があって、「自分達がやろうとしていた方向は間違っていなかったんだ」って日本と海外どっちでもライブをやったことで気づけた部分があるので、それを踏まえて作った楽曲を演奏するのは楽しみですね。

CHOJI:10年の中で、ラジオやテレビでファンになってくれた方もいると思うんですよ。でもスケジュールの都合や、住んでいる地域から会場が遠いなどの理由で、ライブに来れてなかった人もいて。そういう方たちにこそ、ぜひ来てもらいたいのが「ISLAND TOUR」。アジアツアーに関しては開催する秋までに、また何曲か発表して、今自分たちの中で見えているI Dont Like Mondays.のライブ感をより具体的に伝えられると思います。

KENJI:「ISLAND TOUR」で言うと……そもそも普通のバンドはデビュー前にこうやって各地でドサ回りをするものなんですよ。僕らは初期に全然やっていなかったので、そういう意味では最初にやりたかったことをリクープしに行くツアーですね。アジアツアーに関しては、「PAINT」を出してから海外でライブできるようになって。今回はその延長で海外でライブする機会が増えたし、日本もいろんなところを回れて。ようやく10周年で僕たちがやりたかったことのベースが全部揃った感じなので、あとはいい曲を用意するだけですね。

YU:バンドとしての意気込みはみんなが話してくれたので、ボーカリストとしてお話しすると、10年かかってようやく自分がボーカリストである自覚が芽生えてきたんですよ。テクニカルなことですけど、レコーディングもそうですし、テレビ収録だったりイベントだったりといろんな活動をしながら、発声方法などの改造をするのってすごくリスキーで。ただ、去年からボーカリストとしても、さらに上に行かなきゃいけないなと思って、普通はやらないなと思うチャレンジを思い切ってやったんですよ。まだ過程ではあるんですけど、自分の中では道筋が見えてきてる段階で。去年とは比べ物にならないぐらい、自分自身がスキルアップしている。あと、ライブも楽しめるようになってきたので、その思いを「ISLAND TOUR」ではぶちかましたいなと思います。アジアツアーでは、それをさらに爆破させたいという自分の中での課題があるので、ぜひ観に来てほしいです。

─最後の質問になりますが、10年の中でバンドや個人として変化を感じる部分はありますか?

KENJI:んー、なんでしょうね?

─メンバーに対して「ここが変わったな」とかでも。

KENJI:性格は全然変わってないんですよね。

YU:性格もそうだし好きなことも変わってないよね。バンドとしてはみんな好奇心旺盛で、自分達の”できる範囲”という池の中で泳ぎたくない。だから新しいスキルを身につけて、もっと大きな池を泳いで、いずれは大海原に飛び出したいタイプなので、様々なことにトライしてきたんです。でも、やっぱり好きなものって変わってないんだなって。それこそ「New York, New York」で再確認しましたし、できることを広げてきたので、次は深くしていきたいですね。だから……変わっているようで変わっていない10年でした(笑)。

SHUKI:でも、全体的には昔の方が「よく見せよう」とか「大きく見せよう」とか考えていた部分があるけど、今は本当に自然体になれていて。それが純粋にカッコいいなと思います。それは自分のことだけじゃなくて、力の抜き方を覚えたというか。

KENJI:あと、演奏がタイトになってきてるのは感じるかな。

YU:変化で言うと、より音楽が好きになったなと思いますね。当時はリスナーとしてバンドが好きで音楽を始めたけど、プレイヤーとして10年やってきて「プレイヤーって結構楽しいな」って。

─酸いも甘いも知った上で、楽しいと思えるのは一番いいですよ。

YU:飽きない職業を選んで良かったなと思いますね。ちなみに僕は幼少期からゴルフをやっているんですけど、周りを見ていると30代からゴルフを始めて熱中する人が多いんですよ。なんでだろう?と考えてみると、みんな何かしら情熱を注げることを見つけたいんだなって。ゴルフもそうですけど、練習してうまくなって、いいスコアが出て喜ぶ。言ってしまえば、自分との戦いじゃないですか。それを乗り越えていくのが楽しくて、情熱を注ぐんだと思うんです。僕の場合は、まさに音楽がそう。自分も情熱を注げることを見つけられてよかったな、って。仕事でも遊びでもいいと思うんですけど、情熱を注げることを見つけた方が人生は楽しいと思いますね。

─話がそれちゃうんですけど、例えば芸能界でも重鎮にいる人ほどゴルフをやっているじゃないですか。その理由は「ゴルフほど自分の思い通りにならないスポーツはないから」らしいですよ。

YU:それで言うと、歌も相当自分の思い通りにならないから同じかも(笑)。

─へえ! 歌はある程度コントロールできるものだと思っていました!

YU:本当だったらこの曲はこう表現したいけど、自分のスキルが追いついてなくて、理想に近づくために練習するけど、そこまで辿り着いたら、さらに上があるっていう。どこまでも続いていく階段を永遠に上がって行くって意味では、なんでも一緒だと思うんですよね。”そこで満足できたら終わり”みたいな考えがあると思うんですけど、満足できないんですよ。もっと上へもっと上へと求めたくなる。それが面白さでもあるし、物質世界で生きる僕らだから楽しめる特権だなと思います。だからこそ、僕らも上へ上へと目指していますし。

─確かにそうですね。今日お話を聞いて、ますますアイドラの今後が楽しみになりましたよ。

YU:嬉しいです。このバンドが映えるのって、40代からだと思っているんですよ。僕は今35歳なのでまだまだ下積みですね(笑)。どんどん良くなっていきますよ。

<リリース情報>

アイドラが語るデビュー10周年の現在地、海外での活躍、NYをテーマにした特別な新曲


I Don't Like Mondays.
「New York, New York」
配信中
https://idlms.lnk.to/newyork_newyork

<ライブ情報>

I Don't Like Mondays. "FOCUS" ASIA TOUR
公演情報:https://idlms.com/news/352555

I Don't Like Mondays. "Island Tour
公演情報:https://idlms.com/news/351934

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