テイラー・スウィフトを輩出したBig Machineに所属するカントリーシンガー、カーリー・ピアース(Carly Pearce)の通算4作目となる最新アルバム『hummingbird』をリリースし、大きな注目を集めている。

1990年生まれのカーリー・ピアースは、2017年にシングル「Every Little Thing」と同名のデビューアルバムがヒットしたことで大きく飛躍。
2021年のシングル「Never Wanted To Be That Girl」で、初のグラミー受賞となる最優秀カントリーデュオ/グループパフォーマンス賞を獲得した。

『hummingbird』はカーリーが共同プロデューサーを務めた初の作品であり、彼女の新たな音楽的チャプター、前進の一章を完ぺきに表現している。

「新しい10年を迎えることで、多くの成熟、成長、心痛、癒しがもたらされた。私はまだ未完成だけど、これらの曲は私の正直さ、遊び心、そして成長し続けようとするオープンさを表している」。

2021年の前作『29: Written in Stone』の成功に続く今作で、カーリーは成長、謙虚さ、理解、遊び心、楽観主義というアルバムのテーマを象徴する「ハチドリ」に包まれた正統派カントリー・サウンドを全面的に打ち出している。

タイトル曲「hummingbird」についてカーリーは、「この曲を書いたとき、これをアルバムのタイトルにしたいと思った。この曲は、私のルーツであるブルーグラスを奏でる曲であると同時に、私が愛を見つける旅路の物語をリリックで歌っている。今まで書いた曲の中で、最も私らしい曲になった」。

『hummingbird』にはクリス・ステイプルトンをフィーチャーし、ゴールドディスクに認定されたシングル「we don't fight anymore」も収録。グラミー賞最優秀カントリーデュオ/グループパフォーマンス賞にノミネートされたこの曲を、本誌US版は「二人のハートブレイクの共有は見事だ」と評している。カーリーは今作のサウンドとビジュアルに影響を与えたアーティストとして、ロレッタ・リン、タミー・ワイネット、ジョージ・ジョーンズといったカントリーの大家から、ケイシー・マスグレイヴスのような同世代の名前まで挙げている。

心臓疾患の診断がツアーに与える影響

カーリーは『hummingbird』を中心としたツアーの開始を、2025年2月に控えている。
彼女はミュージシャンとしてのキャリアのほとんどを、ツアーに費やしてきた。ところが、彼女に心膜炎の診断を下した医療チームからの勧告を受けた彼女は、間近に控えたステージの内容を見直す必要があるかもしれない。

「私は自分の人生のすべてにおいて、誠実かつ正直であろうと努めてきた」とピアースは、最近Instagramに投稿した。「既にお知らせしたとおり、今の私は健康に問題を抱えている。最近になって、心臓病の一種である心膜炎との診断を受けた。心臓の専門医とも相談しながら、ツアーの実施へ向けて準備を進めている」。

米国心臓協会によると、心膜とは、心臓を包み込む薄い二層の組織から成る袋状の構造で、層の間には少量の潤滑液が入っていて、心臓の保護とスムーズな動きを助ける役割を担っている。心膜炎は、心臓を包む心膜の炎症を指す。一般的には、心臓発作に似た痛みを伴うという。

「治療と並行して、ステージの内容を工夫することでコンサートを続けるのが最善策だと、スタッフ全員で決めた」とピアースは説明する。「だから、ステージ上でのパフォーマンスがいつもと違って見えた時は、私が心拍数をコントロールするためだと理解して欲しい。完全に治癒しないという意味ではない。
今は、自分の体調に真剣に向き合う必要がある、ということだ」。

現状を打開すべく努力する彼女に対して「ほんの少しだけの思いやり」を見せて欲しい、と彼女はファンに呼びかけた。「コンサート会場へ足を運んだり、『hummingbird』を聴いたりして、応援してくれたらとても嬉しい。これまでとは少し違ったステージを楽しめると思う」とピアースは続けた。

ピアースはまた、今の自分自身を教訓にして、自分の身体が発する健康上のアラームに最新の注意を払うようファンに求めた。「若く健康で、普段から食事に気を配り運動もしている私でさえ、今回のようなことが起きた。今の時点で健康に問題を抱えていようがいまいが、私の例を教訓として、自分の体調には常に注意して欲しい。健康に問題がある時は、必ず何らかの変化を感じるはずだ」と彼女は警告した。

From Rolling Stone US.

「ポスト・テイラー・スウィフト」と謳われたカントリーの旗手、カーリー・ピアースの新章

カーリー・ピアース
『hummingbird』
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