オジー・オズボーンの訃報が伝えられ、ロック界は今もなお深い衝撃の中にある。彼はここ数年、健康状態が悪化していたものの、わずか17日前の7月5日に行われたブラック・サバスのオールスター・トリビュート公演「Back to the Beginning」に出演し、その夜は非常に元気な様子を見せていた。


【動画はこちら】オジー生前最後の「Paranoid」「Crazy Train」

現在のところ、死因は明らかにされていない。家族は声明で次のように述べている。「この悲しみを言葉で言い表すことはできません。今朝、私たちの最愛のオジー・オズボーンが息を引き取りました。家族に見守られ、愛に包まれて旅立ちました。どうか、この時間は私たち家族のプライバシーを尊重していただければと思います」

この悲劇の中で、わずかに救いがあったのは、ヘヴィメタル/ハードロック界が今月初め、イギリス・バーミンガムで行われた「Back to the Beginning」にて、オジーへの深い敬愛を直接伝える機会を得ていたことだ。この豪華なラインナップには、メタリカ、ガンズ・アンド・ローゼズ、パンテラ、スレイヤー、トゥール、ラム・オブ・ゴッド、ビリー・コーガン、スティーヴン・タイラー、トム・モレロ、サミー・ヘイガー、アンスラックス、アリス・イン・チェインズ、ザック・ワイルドなど、錚々たるアーティストが名を連ねていた。各バンドが自身の楽曲に加え、ブラック・サバスの名曲も披露した。

そしてオジーが登場

夜も終盤に差し掛かる頃、オジーはレザーチェアに腰掛けたまま登場し、ソロバンド時代のベテランメンバーとともに「I Dont Know」「Mr. Crowley」「Suicide Solution」「Mama, Im Coming Home」「Crazy Train」を披露した。健康面への懸念から歌声を不安視する声もあったが、彼はこの日のために懸命に準備を重ねており、その歌声は驚くほど素晴らしかった。

そしてコンサートのラストには、オジーとオリジナル・メンバーによるブラック・サバスが20年ぶりに同じステージに立った。これは長年の確執があったドラマーのビル・ワードとの関係や、2017年の「最終公演」ツアーの存在を踏まえると、多くのファンが「もう二度と見られない」と思っていた瞬間だった。
だが、オリジナルの4人が揃わないままブラック・サバスを締めくくるのは不完全でしかなかった。

彼らは「War Pigs」「N.I.B.」「Iron Man」「Paranoid」を演奏し、その姿を出演者全員が舞台袖から見守った。これ以上ない、完璧なラストパフォーマンスだった。

このコンサートは世界中にライブ配信されており、2026年初頭には映画館での上映も予定されている。まさにヘヴィメタル界の『ラスト・ワルツ』──この奇跡の一夜が実現したことに、私たちはただただ感謝するばかりだ。

From Rolling Stone US.
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