新型コロナウィルスによる感染症の世界的大流行に襲われ、 「日常」が一挙に失われた2020年。 既に200万人の命が奪われた歴史的な年を「創る人」はいかに生き、 いかに創ったのか。
2020年1月1日から12月31日まで、 366日(52週)を52人の1週間日記でリレーする計100頁、2月5日(金)の「新潮2021年3月号」にて超大型企画として掲載されている。
メンタルをやられる人や自殺者も増えるのは間違いない」(6月27日) 小川洋子 「リモート取材。 リモートって一体何なんだ、 と誰かに詰め寄りたい気もするが、 やるしかない」(7月29日) 多和田葉子 「パンデミックは確かに恐ろしいが、 自分の生まれた国に独裁政治が発生して帰れなくなるという状況の方がずっと恐ろしい」(9月7日) 村田沙耶香 「本当にとてつもなく久しぶりに、 友達が家にきた。 誰かが自分の部屋にいることなんて何ヶ月ぶりだろうか」(10月12日) 柳美里 「今年は、 演劇人にとっては余りにもつらい一年だった」(10月18日) 柄谷行人 「午前中、 「力と交換様式」という論文の続きを書く。 (…)自宅に閉じこもり、 散歩はするものの、 人にはほとんど会わなかった。 むろんコロナ禍のせいである」(11月11日) 宇佐見りん 「遠野遥さんとオンライン対談イベント。 私にとっては初のイベントだったので、 始まる前はここ最近で一番緊張した気がする」(11月18日) 平野啓一郎 「朝から曇天。
時折、 雨。 三島由紀夫の命日だが、 五十年前のあの日、 もし悪天候だったら、 どうなっていたのだろう」(11月25日) 坂本龍一 「文化コードなどは所詮人間の観念が作り出したもの。 いつか消える。 (…)自然にとっては人間の与える意味など無意味だ」(11月4日) 川上弘美 「コロナ下のうちのエンゲル係数は、 去年のほぼ二倍」(12月21日)
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