台湾や香港には、イングリッシュネームを持っている人が多い。有名なテレサ・テンという名前はイングリッシュネームであり、中国名は鄧麗君だ。
ジャッキー・チェンも同様で中国名は成龍だ。最近では中国人もイングリッシュネームを使うようになっているが、中国の動画サイト西瓜視頻はこのほど、中国人がイングリッシュネームを使うことに対する否定的な見解の動画を配信した。

 オーストラリア在住の中国人という配信者は、最近外資系の企業や海外で生活する中国人がイングリッシュネームを使うケースが多いと指摘した。実際、外資系ではなくても、例えばアリババの創業者であるジャック・マー氏もイングリッシュネームであり、中国名は「馬雲」だ。

 配信者はこうした傾向に異議を唱えた。「日本人や韓国人、インド人などはイングリッシュネームを使わないのに、なぜ中国人は使いたがるのか」と述べているが、確かに日本人でイングリッシュネームを持っている人はあまりおらず、ローマ字読みして日本名をそのまま使用することが多いだろう。


 配信者によると、イングリッシュネームを使うのは、文化面での劣等感の表れだという。かつての中国は文化輸出大国だったのに、いつのころからか他国の文化に従う国になってしまったと嘆いている。それで、中国文化にもっと自信を持ち、中国名を堂々と使うべきだと主張した。

 この動画に対するコメントを見ると、「全くその通りだ」、「これは支持する」など、配信者の意見に賛同するコメントが多く寄せられた。近年、中国は経済成長や軍事面での実力などから自国に対する自信を深めているからだろうが、このような主張は逆にコンプレックスを感じているようにも思える。

 実際、中国名の読み方は外国人にとって発音が比較的難しいので、台湾人などがイングリッシュネームを使うのはコンプレックスというより、利便性を優先しているからではないだろうか。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)