日本も韓国も文化輸出に積極的で、アジアのみならず世界でも日韓の文化は広まっている。中国でも日本の文化は若者を中心に広まっているため、「日本は文化で中国を侵略しようとしている」という物言いまであるほどだ。
日韓が自国の文化輸出に意欲的である一方、中国はあまり積極的ではない現状に、スレ主の中国人ネットユーザーは焦りを感じているようだ。あるいは中国発祥の文化が日韓の文化として広まることを危惧しているのかもしれない。いずれにしても、中国文化の保護を呼びかけるスレ主に対し、賛同する中国人ネットユーザーは少なく、「保護する必要はない」との回答が圧倒的に多かった。
その理由として、ほとんどのユーザーが「文化というものは保護するものではないから」と説明していた。「保護してもらわなければならないような文化は、どのみち消える運命」というのは何千年もの歴史がある中国らしい考え方と言えるだろう。また、近年の中国映画の興行収入は日本映画やハリウッドにも引けを取らず、「保護してもらわずともやっていける文化が育ちつつある」という声もあった。
さらに文化のなかにも、保護する価値があるものとそうでないものがある、と指摘するコメントもあった。「流行文化に保護は必要ないが、伝統文化には必要だ」という指摘や、伝統文化を残すにしても「商業化で刺激を与えて命を吹き込む」よう提言する人や、日韓に倣って「イノベーションを続けて生き残らせよう」との意見も寄せられた。
また一風変わった回答としては、中国の文化輸出は日韓とは全く意味が違うとの指摘もあった。「中国の文化輸出は、一帯一路・アジアインフラ投資銀行・人類運命共同体といった政治が主体」であり、日韓とは比較の対象ではないとコメントしていた。人類運命共同体とは習近平国家主席が提唱する「各国が共同で発展すべき」との概念だ。