東シナ海に「ソコトラ岩」と呼ばれる暗礁が存在する。中国では「蘇岩礁(そがんしょう)」、韓国では「離於島(イオド)」と呼ばれているソコトラ岩は、中韓両国がその管轄権を主張し、対立している暗礁だ。


 中国メディアの網易はこのほど、日中韓3カ国のちょうど中間あたりに存在するソコトラ岩は「極めて重要な暗礁」であると主張し、その重要性について論じる記事を掲載した。

 記事は、ソコトラ岩は南北に約1800メートル、東西に約1400メートルほどしかない「面積の非常に小さな岩礁」で、干潮時でも水面下にある「暗礁」であると指摘。外観的には目を引くことのない暗礁だが、ソコトラ岩は「極めて重要な存在」であると強調した。

 続けて、ソコトラ岩は中国の安全保障に大きな影響を及ぼす「列島線」に関わる暗礁の1つであると主張したほか、ソコトラ岩付近の海底には最大で1000億バレルの原油と72億立方メートルの天然ガスという莫大な資源が存在していると指摘。また、中国の漁民にとっては必要不可欠な漁場でもあると強調した。

 しかしながら、東シナ海は日中韓3カ国がそれぞれ干渉し合う複雑な海域であり、ソコトラ岩も中韓が管轄権をめぐって対立していることを紹介したうえで、1952年に韓国がソコトラ岩を国際的な承認もないまま勝手に自国のものとしたと批判し、ソコトラ岩の管轄権は「歴史的に中国のものである」と反発。それを分かっているからこそ、日本もソコトラ岩をめぐる対立には首を突っ込んでこないのだと主張し、中国は韓国からソコトラ岩の管轄権を取り戻す努力を重ねなければならないと主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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