中国自慢の高速鉄道は、多くの部品で国産化を実現したそうだが、どうしても国産化できない部品があるようだ。中国メディアの網易はこのほど、「中国高速鉄道は100%の国産化を実現できていない」と指摘し、国産化できていないコア部品について紹介する記事を掲載した。


 中国が高速鉄道車両を製造するうえで今でも輸入に頼っているコア部品とは「ベアリング」だ。記事は、「ベアリングだけはスイスやドイツ、日本から輸入しており、海外メーカーに独占されているのが現状だ」と指摘した。しかも、これらの企業は中国からベアリング材料を安く購入し、加工してベアリングを製造してから高く中国に売りつけていると恨めしそうに伝えている。

 中国税関によると、2020年に中国が輸入したベアリングは約43億ドル(約4880億円)で、前年比19.8%増となったという。なぜ中国はハイエンドなベアリングが作れないのだろうか。

 記事は2つの理由を挙げている。理由の1つが「中国の関連業界が掌握しているベアリング製造技術はローエンド市場に集中しており、ハイエンドなベアリングは海外製の模倣に過ぎず、コア技術を掌握していない」ことだ。もう1つの理由は、「ハイエンドなベアリングには、高い耐摩耗性、耐熱性、耐腐食性が求められ、原材料の軸受鋼も高い純度が求められるから」だと分析した。

 特に、軸受鋼の純度はベアリングの寿命や品質に直接影響するが、この重要な材料も中国は輸入に頼っているという。それで、サプライチェーンの最も「川上」にある材料を外国が握っているため、ハイエンドなベアリングの製造技術を掌握できたとしても材料がないので、「ない袖は振れない」のが現状だと問題点を指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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