中国は台湾問題に関して神経を尖らせており、安倍晋三元首相の「台湾有事は日本有事だ。日米同盟有事でもある」との発言にも即座に強く反応した。
中国のQ&Aサイト・知乎でこのほど、安倍元首相の「台湾有事は日本の有事」発言をどう考えるか、中国人ネットユーザーたちに質問するスレッドが立てられ、意見を求めている。

 スレ主はまず、安倍氏の発言を受けて中国外交部は、「国際関係の基本準則と中日の4つの政治文書の原則に重大に違反した」、「でたらめを言っている」など、不満を伝えたことを紹介し、「みんなはどう見るか?」と質問している。

 またスレ主は、日本の政治家のこうした発言は中国にとっては「台湾統一」の妨げになると考えているようで、「他に統一の妨げになるものがあると思うか」と質問している。

 これに対して、中国政府の主張に沿って「台湾は中国のものだ。台湾の有事は中国の有事」という中国人ユーザーや、「こんな話をして中国が恐がると思うか」と強気の発言をする中国人ユーザーもいた。このユーザーは、「数十年前ならいざ知らず、今は笑い話にしかならない」として、日本人も本気ではない可能性を指摘した。

 また多かったのが、「安倍氏は日本政府の代表者ではない」という指摘で、求心力の欲しい安倍氏が「存在感を残そうとして」アクションを起こしたとの見方や、「軍国主義化の前奏として」日本が元首相を使って米国の反応をうかがっている、といった説も紹介されていた。

 スレッドの反応は比較的穏やかで、中国政府の示した強い反発はあまり感じられなかった。少なくとも中国人ネットユーザーの間には「有事」を感じさせる緊迫した雰囲気はないようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
編集部おすすめ