内閣府によれば、2020年度の1人当たり名目GDPは425万9000円だった。日本の1人当たり名目GDPはここ数年、横ばいが続いており、すでにシンガポールにも香港にも追い越されているが、このままいけば2027年に韓国が日本を追い越すとの予測も出ているようだ。
中国メディアの騰訊はこのほど、「韓国の1人当たりのGDPは本当に2027年に日本を超えるのか」と題して、この可能性を分析する記事を掲載した。

 記事は、韓国の経済成長の勢いは認めつつ、韓国を悩ませる「潜在リスク」に注意を向けている。この潜在リスクには、韓国の家計債務残高がGDP比で100%を超えていることや、不動産価格の高騰によるバブルが含まれていると強調した。また、貧困率の高さや財閥が幅を利かせていること、出生率の低さと高齢化など、挙げていくときりがないと論じた。

 このほか、韓国の工業の基礎を据えたのが日本だったことが、韓国経済にとって大きなリスクになっていると主張。韓国の得意とする家電、電子、自動車、精密機械、造船、化学工業などは、いずれも日本の得意分野と被っており、韓国側は「コスト優位」な状況にあるものの、産業の競争力という点では日本に劣っていると指摘した。

 実際、付加価値が大きな分野である医薬品などにおいては「日本のテールランプも見えてこないほど」差を付けられており、精密機械や電子分野でも、基幹部品は日本が握っていると指摘している。そのため韓国に対して、日本と技術を競うだけでなく、「日本の強くない分野で競争力を高める」ように提言している。

 記事は、日本経済の停滞と韓国の経済成長からすると、韓国の1人当たりGDPがいずれ日本を超えるという可能性は十分あるとしながらも、韓国経済そのものが「日本という天井」にぶつかることは避けられないと指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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