岸防衛相は、2021年12月27日に中国の魏鳳和国防部長とテレビ会談を行った。しかし、その後の会談内容に関する発表には日中で違いがあったようだ。
中国メディアの捜狐はこのほど、日中防衛相会談について「発表された会談内容に差があった」と主張し、その理由を考察する記事を掲載した。

 記事は、今回の会談後に中国側が発表した内容は、「非常に平和的」で、日中が積極的に協力し、両国関係とアジア太平洋地区の平和や安定を共に維持していくことを強調したものだったと紹介した。

 ところが、日本側の発表は岸防衛相が「強硬姿勢」を示したことを強調するものだったと主張した。日本は尖閣諸島(中国名:釣魚島)を含む東シナ海をめぐる問題について極めて深刻な懸念を表明し、台湾情勢について動向を注視しており、南シナ海については一方的な現状変更の試みや緊張を高める如何なる行為にも強く反対する旨を伝えたことになっているとした。

 そのうえで、岸防衛相が中国に対し「強硬姿勢」を示したのは、中国に対するというより、「米国と日本国内に対するアピール」のためだったと分析した。中国との対立を深めている米国に対し、日本はしっかりと付いていく姿勢を示す必要があり、同時に国内に対しても中国に警戒していて日本の利益をしっかり守ることをアピールしなければならなかったと主張している。

 今回の会談で日本が台湾情勢や南シナ海について言及したことは一種のパフォーマンスだったと主張する一方、それでも日本の動きには警戒すべきだと強調。陸上自衛隊第2師団を北海道から九州へ移動する訓練を行ったり、離島奪還訓練を行ったり、台湾有事で日米共同作戦案を策定していることなどから、「日本は中国の領土に対する野心を持っている」と主張し、日本に対する警戒感を怠らないよう注意を促して記事を結んだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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