深セン証券取引所のメインボードへの上場を目指している、新疆立新能源(001258/深セン)が7月13日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2億3333万株を発行予定で、公募価格は12日に発表する。
同社は2013年設立で、20年に株式会社化した。風力発電、太陽光発電プロジェクトの投資、開発、建設、運営を主業務としており、風力、太陽光以外にも水力発電、天然ガス、炭層ガス、シェールガス、地熱といったクリーンエネルギー開発プロジェクトの建設、運営管理、技術コンサルティングも手掛けている。21年12月31日現在で同社が運営している再生可能エネルギー発電装置の総容量は約1100メガワットにのぼり、風力発電が約570メガワット、太陽光発電が530メガワット。発電設備はすべて新疆ウイグル自治区内に建設されている。
中国では2012年に総発電量の78.72%を占めていた火力発電が21年に67.40%まで低下する一方で、風力発電が2.07%から7.83%へ、太陽光発電が0.07%から3.90%にまでそれぞれ増加した。また、絶対的な発電量も4億9865キロワットから8億3768キロワットにまで増加しており、この10年で風力、太陽光の各発電量が大きく伸びたことが見て取れる。
中国の地上70メートルにおける平均風速は約5.4メートル毎秒で、新疆ウイグル自治区はこの平均を上回る地域が多い。東部、北部は6.0メートル毎秒を超え、一部では7.0メートル毎秒に達する地域も存在しており、風力発電の発展に適した地域と言える。また、新疆南部は年間日照時間が2200時間を超え、中国国内でも日射量が多く太陽光発電地域分類で最も高い「資源が豊かな地域」に入っており、北部も「資源がやや豊かな地域」となっている。風力発電、太陽光発電いずれをとっても現在中国国内で設備の建設が盛んに進められており、優れた自然条件を持つ新疆では今後もさらに多くの設備が建設される見込みだ。
同社は広大な面積を持ち風力、太陽光の資源がいずれも豊富である新疆ウイグル自治区で事業を運営していること、中国政府による「西電東送」プロジェクトに積極的に参与し、特に電力ニーズの高い中国東部地域にクリーンな発電エネルギーを供給する役割を担っていること、発電プロジェクトの開発、運営、管理で豊富な経験と高い能力を備えていることなどを強みとする一方で、さらなる発展に向けた資金力が不足し、資金調達ルートも乏しいことがボトルネックとなっている。
2021年12月期の売上高は8億136万元(前期比22.68%増)、純利益は1億4292万元(同21.24%増)。22年1~3月期の売上高は1億7362万元(前年同期比4.35%減)、純利益は2834万元(同3.61%減)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)