投資家の慎重スタンスが継続する流れ。米金利の上昇や、中国の景気懸念などが引き続き売り材料視されている。米インフレ高止まりの警戒感が続く中、昨夜の米債券市場では米10年債利回りが騰勢を強め、一時、昨年10月以来の高水準を付けた。外国為替市場では、対米ドルの人民元安が進行している。また、15日公表された7月の中国経済統計では、小売売上高や鉱工業生産などが軒並み大幅に下振れた。英金融大手バークレイズのアナリストは15日、中国の2023年国内総生産(GDP)伸び率予想を4.9→4.5%に引き下げている。中国政府が目標とする通年成長5%前後については、達成が困難との見方だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が4.7%安、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が4.0%安、都市ガス大手の香港中華煤気(3/HK)が3.4%安と下げが目立った。
セクター別では、中国の金融が安い。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が2.7%、招商銀行(3968/HK)が2.6%、中国平安保険(2318/HK)と中国人寿保険(2628/HK)がそろって2.8%、華泰証券(6886/HK)が1.8%、中信証券(6030/HK)が1.7%ずつ下落した。
電気自動車(EV)関連も売られる。
レアアース・非鉄関連の銘柄もさえない。非鉄金属・鉱石など生産・貿易の五鉱資源(1208/HK)が4.1%安、希土類磁石メーカー大手の江西金力永磁科技(6680/HK)が3.8%安、リチウム電池素材メーカーの江西カン鋒リ業(1772/HK)が2.8%安、銅生産で中国最大手の江西銅業(358/HK)が1.9%安で取引を終えた。
半面、中国不動産セクターは高い。龍湖集団HD(960/HK)が3.7%、融創中国HD(1918/HK)が3.6%、広州富力地産(2777/HK)が2.8%、碧桂園HD(2007/HK)が2.5%ずつ上昇した。同セクターはこのところ、債務問題の再燃で急落が続いていただけに、値ごろ感も着目されている。
本土マーケットも4日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.82%安の3150.13ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)