内外環境の改善が相場を押し上げる流れ。中国本土・香港の株式市場活性化策や、米国の利上げサイクル終了の期待感が引き続き投資家心理を上向かせている。米中関係の悪化懸念もやや後退。半導体など先端技術を巡る対立が続く中、米国のレモンド米商務長官と中国の王文涛・商務部長は28日に北京で会談し、貿易や投資に関する問題の解決に向けた協議の場を新設することで合意した。指数は前引けにかけて上げ幅を広げた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が12.3%高、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が9.9%高、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(981/HK)が7.2%高と上げが目立った。碧桂園服務が29日報告した中間決算は9%減益だったが、コスト管理強化で販売費、管理費は改善している。
セクター別では、中国の不動産が高い。上述した銘柄群のほか、融創中国HD(1918/HK)が12.6%、中国金茂HD(817/HK)が7.3%、雅居楽集団HD(3383/HK)が7.1%、中国海外発展(688/HK)が6.5%ずつ上昇した。
半導体セクターも急伸。上記した中芯国際集成電路製造のほか、華虹半導体(1347/HK)が8.0%高、晶門半導体(2878/HK)が6.0%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が5.9%高で取引を終えた。
自動車セクターも物色される。
一方、本土マーケットも続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.20%高の3135.89ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。医薬品株、消費関連株、不動産株、インフラ関連株、素材株、運輸株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。公益株、金融株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)