投資家の慎重スタンスが和らぐ流れ。昨夜の米株急反発や、香港上場企業の業績改善が材料視された。終盤を迎えた2023年通期決算報告では、一部のセクターを除き、増益や赤字縮小、配当増額など堅調な内容が多くみられている。ただ、ハンセン指数は朝方、弱く推移する場面があった。米中対立の激化が警戒されたほか、3月31日に3月の中国PMI(国家統計局などが集計)が公表されることも気がかり材料となっている。香港市場はあす29日から週明け4月1日までイースター連休となることも買い手控え要因として意識された。
「ニューエコノミー」関連銘柄に買いが先行。ハンセン科技(テック)指数は3.8%高と他の指数をアウトパフォームしている。個別では、動画配信プラットフォーム大手のビリビリ(9626/HK)が9.2%高、家電メーカー中国大手の海爾智家(6690/HK)が7.3%高、中国Eコマース大手の京東集団(9618/HK)が6.8%高と上げが目立った。ビリビリが報告した通期決算は赤字だったものの、赤字幅が前期から縮小。買い安心感が広がった。
そのほかの消費関連セクターも高い。
半導体や通信ネットワークの銘柄群もしっかり。上海復旦微電子集団(1385/HK)が5.3%高、中芯国際集成電路製造(981/HK)が3.4%高、華虹半導体(1347/HK)が2.7%高中興通訊(763/HK)が4.7%高、中国通信服務(552/HK)が2.8%高で引けた。
半面、中国の銀行セクターはさえない。
一方、本土マーケットも反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.09%高の3025.89ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が高い。消費関連株、素材株、インフラ関連株、医薬株、不動産株、運輸株、公益株なども買われている。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)