22日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比34.18ポイント(0.18%)高の19254.80ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が21.23ポイント(0.31%)高の6842.20ポイントと反発した。売買代金は695億9710万香港ドルに縮小している(21日の前場は805億280万香港ドル)。

 押し目買いが優勢となる流れ。ハンセン指数は前日、2.1%安と4日ぶりに急反落していた。不動産支援策を相次ぎ投入するなど、中国政府が景気支援スタンスを強めていることが改めて材料視されている。企業決算の動向をにらみながら、業績改善を見越した買いが入ったことも相場を支える一因となった。ただ、上値は限定的。欧米と中国の対立激化が警戒されている。
外電は22日、業界団体からの情報として、「大排気量エンジンを搭載した自動車に対し、中国が輸入関税の引き上げを検討しているもよう」などと報じた。それより先、イエレン米財務長官は21日、欧米は自国の製造業を守るため、中国の過剰な工業生産能力に連携して対応する必要があると述べている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、次世代PCに対する期待感が高まり、パソコン(PC)世界最大手の聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が13.2%高の11.52香港ドルと急伸。上場来高値を更新した。レノボは21日、自社初のビジネス向け次世代AI(人工知能)PCを発表。モルガン・スタンレーは最新リポートで、レノボの投資判断を「イコールウエート」から「オーバーウエート」に格上げし、目標株価を9.10→15.00香港ドルに上方修正した。
レノボはあす23日、通期決算を報告する。
 セクター別は、中国の不動産が高い。世茂集団HD(813/HK)が8.3%、中国海外宏洋集団(81/HK)が7.0%、融創中国HD(1918/HK)が5.8%、中国奥園集団(3883/HK)が2.6%ずつ上昇した。
 エアラインや空港など旅行関連も物色される。中国南方航空(1055/HK)が4.6%高、中国国際航空(753/HK)が3.9%高、中国東方航空(670/HK)が3.6%高、海南美蘭国際空港(357/HK)が11.9%高、北京首都国際機場(694/HK)が6.3%高で引けた。
 他の個別株動向では、新興電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(9868/HK)が13.2%高。
同社の四半期決算は純損失を計上したものの市場予想ほどでなく、赤字額は前年同期から縮小した。
 半面、非鉄セクターはさえない。金川集団国際資源(2362/HK)と五鉱資源(1208/HK)がそろって3.1%、新疆新キン鉱業(3833/HK)が2.9%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が2.4%ずつ下落した。
 本土マーケットも小反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.02%高の3158.48ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が高い。
金融株、インフラ建設株、空運株、公益株なども買われた。半面、消費関連株は安い。軍事関連株、医薬株、エネルギー株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)