様子見ムードが漂う流れ。新規の取引材料に乏しい中、指標発表が気がかり材料となった。中国では週末30日に11月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)と非製造業PMI、12月2日に民間集計の財新・中国製造業PMI、4日に財新・中国サービス業PMIが発表される。また、トランプ次期米政権の陣容が対中強硬派で固まったこともマイナス。米中対立激化の警戒感も改めて意識された。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国の追加経済対策に対する期待感が持続している。当局は経済成長目標達成のため、金融・財政政策を強めるとの見方だ。金融政策に関しては、年内に預金準備率が引き下げられるとの観測も流れている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、消費関連の下げが目立つ。即席麺・飲料の康師傅HD(322/HK)が4.4%安、酒造の華潤ビールHD(291/HK)が4.3%安、自動車ディーラーの中升集団HD(881/HK)が4.0%安で引けた。
自動車メーカー株も安い。
AI(人工知能)関連や半導体の銘柄も売られる。青島創新奇智科技集団(2121/HK)が11.0%安、北京第四範式智能技術(6682/HK)が10.9%安、商湯集団(20/HK)が2.7%安、ASMPT(522/HK)が2.1%安、華虹半導体(1347/HK)が1.7%安で取引を終えた。バイデン米政権は近く、半導体製造装置やAIメモリー半導体の中国向け輸出規制を強化するもよう――との観測情報が報じられている。
海運セクターもさえない。中遠海運能源運輸(1138/HK)が4.9%安、東方海外(316/HK)が3.1%安、太平洋航運集団(2343/HK)が2.6%安、中遠海運HD(1919/HK)が2.0%安と値を下げた。
本土マーケットも反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.43%安の3295.70ポイントで取引を終了した。自動車株が安い。医薬株、金融株、資源・素材株、公益株、海運株なども売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)