米長期金利の低下が好感される流れ。インフレ懸念が後退する中、昨夜の米債券市場では10年債利回りが急低下した。15日公表された昨年12月の米消費者物価指数(CPI)では、食品・エネルギー価格を除いたコアCPIの上昇率が前月比で0.2%にとどまり、11月実績と予想(ともに0.3%)を下回っている。14日発表された米生産者物価指数(PPI)が予想を下回ったこともあり、米利下げペースが鈍化するとの懸念がひとまず薄らいだ。香港は金融瀬策で米国に追随するため、域内金利の低下も期待されている。また、中国でも金融緩和がしやすくなるとの見方も広がった。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、アルミ加工の中国宏橋集団(1378/HK)が4.4%高、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が3.4%高、中国産金最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が3.3%高と上げが目立った。
セクター別では、本土と香港の不動産が高い。遠洋集団HD(3377/HK)が6.0%、融創中国HD(1918/HK)が5.2%、雅居楽集団HD(3383/HK)が5.0%、新世界発展(17/HK)が2.8%、領展房地産投資信託基金(823/HK)が1.8%ずつ上昇した。
非鉄や産金、建材、鉄鋼など資源・素材セクターも物色される。中国宏橋や紫金鉱業のほか、中国アルミ(2600/HK)が4.8%高、霊宝黄金(3330/HK)が6.9%高、華潤建材科技HD(1313/HK)が3.5%高、中国西部水泥(2233/HK)が1.4%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)と鞍鋼(347/HK)がそろって3.5%高で引けた。
半面、海運セクターはさえない。
一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.21%高の3233.92ポイントで前場取引を終了した。資源・素材が高い。銀行・保険、医薬、公益、自動車、インフラ建設、不動産なども買われた。半面、半導体は安い。証券、食品・酒造も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)