投資家のリスク選好が継続する流れ。中国経済対策の期待感が続いている。中国国家発展改革委員会などは17日の記者会見で、国務院(内閣に相当)が公表した国民の所得向上と消費回復に向けた一連の措置について説明した。合理的な賃金引き上げや子育て世帯への支援などが盛り込まれている。昨夜の米株高や、米長期金利の低下も追い風となった。好材料の出た個別株が物色され、相場を押し上げている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が11.9%高と上げが目立っている。同社の通期決算は13%減益とさえなかったが、特別配当の実施方針を示したことが刺激材料だ。そのほか、中国インターネット検索最大手の百度集団(バイドゥ:9888/HK)が9.9%高。同社は16日、大規模言語モデル(LLM)の新製品を発表した。DeepSeek(ディープシーク)モデルより大幅な低コストで、同等のパフォーマンスが実現できると伝わったことが材料視されている。
セクター別では、医薬関連が高い。
自動車セクターもしっかり。理想汽車(2015/HK)が7.6%高、比亜迪(1211/HK)が3.6%高、北京汽車(1958/HK)と吉利汽車(175/HK)がそろって3.2%高と値を上げている。BYDについては、ガソリン車が給油するのとほぼ同じ速さで充電可能な「超高速充電技術」を発表したことなども好感された。
産金・非鉄セクターも買われる。山東黄金鉱業(1787/HK)が6.2%高、招金鉱業(1818/HK)が5.8%高、紫金鉱業集団(2899/HK)が5.5%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が5.3%高、江西銅業(358/HK)と中国宏橋集団(1378/HK)がそろって3.2%高で前場取引を終えた。
本土マーケットは小幅ながら3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.09%高の3429.36ポイントで前場取引を終了した。医薬が高い。素材、通信、半導体、海運なども買われた。半面、消費関連は安い。不動産、公益、エネルギー、金融も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)