チャイナ茶ばなし茶の煙 第26回-ANOMA亭主:星川康江

■お忙しい人におススメ、水だしポット茶

 そろそろ、梅雨の走りかと思えるような、陽気になって参りました。

 冬の間は、茶壺の中に湿った茶葉を入れておいても、さほど問題ではなかったけれど、これからの季節は、そうはいきません。
太陽ぎらぎらの真夏より湿度がずっと高いので、茶葉が痛むのもずっと早いことを心にとめておきましょう。

 新年度が始まりあわただしかった4月、5月も終わり、少し落ち着いてきたころとは思いますが、まだまだ落ち着いてお茶を飲む時間がとれない方も多いと思います。そんな方には、ポットが一番。ポットといっても、いわゆる湯沸かしポットではありませんので、お間違えなく。

 1リットルくらいで冷蔵庫のポケットにすっぽり入ってしまう、ガラスやプラスチックの容器のことです。お好みによって茶葉の量は加減していただきながら、ぽいっと入れて、お水をいっぱい入れます。さあ、これで明日まで冷蔵庫で眠っていてもらいましょう。

■使い終わった茶葉を捨てては、もったいない

 使い終わった茶葉は、どうしていますか? 茶葉を乾かしてポプリにしたり乾燥剤にしたり、緑茶なら炒め物に。というのは、今までの話。それでは、ちょっともったいない。今日は、茶葉の利用方法をちょっと広げていただこうと思います。

 がんばって飲んでも、茶葉の成分の半分も私たちは飲めないのですから、食べちゃうのが一番栄養分をいただけるのです。
大きなウーロン茶の茶葉は炒め物にしても、かなり食べづらいものですが、一手間かければ食べられないこともありません。

 コツを一つ。

 出がらしの茶葉を乾かして粉末にするのです。フードプロセッサーがあれば簡単ですが、なければ袋に入れて手で揉みましょう。喉に張り付きそうな大きさでは、だめです。しっかりと青のりくらいの大きさにするまで、がんばってください。これだったら、スープに入れても炒め物にしても、舌触りで邪魔をすることはありません。健康にももちろんいいし、お茶の持つ力の半分を捨てちゃうなんて、もったいないですからね。

■茶葉で作る佃煮は、大人の味

 お料理が好きだったら、佃煮(つくだに)を作るのもいいですね。

 やはり、少しごわごわしている青茶は、前もってよく茹でて柔らかくするとか、細かく刻んでおくとか、食べやすくする手間だけは忘れずに。茹でる場合には、茹で汁を捨てないで蒸発するくらいまで煮つめましょう。

 個人や少人数の家族が1日に飲んだお茶の分量で作るのなら、ほんの少量の砂糖と醤油で、炒りつければいいですし、ある程度まとまった量を作りたい方は、分量がたまるまで冷凍庫で保存しておいてから作ってください。
お茶請けに常備している、ナッツやクコ・松の実などをアクセントに入れるのもいいですよね。ちょっとした薬膳料理のできあがり。ポイントは、出がらしといえ、微妙な苦みが出ること。まさに大人の味です。

 美味しい物を美味しいと言って食べられるのは、健康ならではのことです。痩せすぎに気をつけ、メタボに気をつけながら、美味しい物を食べて、美味しいお茶を飲みましょう。

 体のためだと偽って、過度のダイエットは、禁物です。少しぐらい太めの方が、長生きすることがわかっているのですから、無理はしないようにしましょう。

 ましてや、お茶で痩せようなんて無謀です。食事抜きでお茶だけ飲んでいれば、いくらでも痩せますが、体の脂肪はお茶で流せません。なにごとも、結果を出すのに近道はないのですから。

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