中国絡みの「エライ人と傘」で思い出すエピソードが、故毛沢東主席の言葉だ。米ジャーナリストのエドガー・スノー氏に対して、自らのことを「和尚打傘(僧侶が傘をさしている)」と表現した。1970年から71年にかけての訪中時の取材だ。
スノー氏は、毛主席の言葉を「自らを、傘を手に歩む孤独な行脚僧とイメージしている」などと紹介、話題になった。しかし、これは誤訳。「和尚打傘」は中国語の「シャレ言葉」のひとつで、そのココロは「無髪無天(髪もなければ、天も見えない)」、すなわち、発音が同様の「無法無天(やりたい放題)」を意味する。なにものにも束縛されず、自分の道を歩んできたという、晩年の毛沢東の心境だった。
一方、温首相の「傘さし」は、古い友人への礼節と敬愛の表現。建国の「巨人」のように、「やりたい放題」との隠れた意味はなかったようだ。
温首相・キッシンジャー会談では、これまでの米中関係の発展を評価する発言が、双方からあったとされる。その他の内容は伝えられていないが、北朝鮮問題に対する意見交換があったとの見方もある。(編集担当:如月隼人)
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