新民晩報道などによると、中国政府・民用航空局は28日に上海で発生したジンバブエ籍貨物機の墜落事故を受け、同型のMD-11貨物機の中国における飛行を全面停止させた。同事故で、乗員7人のうち3人が死亡、4人が負傷した。


 事故は上海の浦東国際空港で28日午前8時10分ごろ発生。キルギス・ビシケク行き貨物機が離陸直後に墜落して炎上した。事故を受け、民用航空局は同型機の運航をすべて停止するよう、指示した。中国の航空会社は1990年代初頭にMD-11型機を使いはじめたが、新型機との入れ替えが進み、MD-11型機は姿を消しつつあるという。

 MD-11はマクドネル・ダグラス社(現ボーイング社)が開発・製造した3発式のジェット旅客機で、貨物専用のタイプや旅客用から貨物用に改造された機体もある。初飛行は1990年。製造は終了した。

 事故機の製造番号は40408で、1991年に大韓航空が運用を開始。その後、2005年にはブラジルのヴァリグ・ロジスティカ航空の保有となり、今年(09年)になりジンバブエの航空会社、アヴィエント・アヴィエーションが購入した。アヴィエント・アヴィエーションに引き渡されたのは11月20日で、8日後に事故を起こした。

 事故の直前に「主脚が引き込まれなかった」などの目撃情報もあるが、専門家によると、「主たる事故原因とは断定できない」という。当局は飛行データを記録したフライト・レコーダー、操縦室の会話などを記録したボイス・レコーダーを回収しており、事故原因の解析を進めている。


 写真は墜落個所に残る事故機の残骸(ざんがい)。中国新聞社が28日に撮影。(編集担当:如月隼人)

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