■「探検」と称しゲート突破、禁止区に侵入
当初は「復旦大学生18人が遭難」と伝えられたが、その後、在学生10人、卒業生4人、学外者4人からなる18人のグループだったことが分かった。黄山風景区管理委員会によると、18人は、無許可立ち入りが禁止されている区域に勝手に入った。黄山地区の中でも、極めて険しく登山道なども整備されおらず、現地の人もめったに入らない危険地区という。
黄山地区では、「探検」などと称して禁止区に無許可で立ち入る人が増加しており、登山者の安全確保、森林火災の防止、環境保護など各方面で問題が発生しており、管理委員会もつい先日、対策会議を開いたばかりという。
学生らは12日夜に、通常の登山口ゲートを“突破”して入山した。監視の目が行き届かない時間帯であるため、1人当たり50元(約630円)の入山料を逃れる目的があったとの疑惑も浮上した。
インターネットでは黄山地区の「入山料逃れ」や「禁止地域探検」の“攻略ガイド”なども出回っており、学生らがたどった道も、多くの“ガイド”で広く紹介されているルートとほぼ一致するという。登山に詳しい人からは「経験不足の人が(このような登山を)すれば、極めて危険。自分の安全にも責任が持てず、他人に災いをもたらす」、「登山中に天候が悪化すれば、遭難に直結する」などの批判が出た。
■死亡した警官の同僚「一人っ子だ。両親のこと思うと……」
今回の遭難では、救助活動に出動した警察官の張寧海巡査(24歳)が、崖から転落して死亡した。
救助された大学生の1人は「同じルートを経験した者もおり、問題ないと思っていた」と説明し、警察官が死亡したことについては「私たちの危険な行為が原因だ」と、苦しそうに述べた。(編集担当:如月隼人)
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