週明け21日の香港マーケットは、主要85銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比168.48ポイント(0.68%)高の24994.14ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が53.73ポイント(0.60%)高の9040.20ポイントと続伸した。ハンセン指数は2021年11月以来、約3年8カ月ぶりの高値水準を回復している。
売買代金は2630億1240万香港ドル(約4兆9656億円)に拡大した(18日は2386億9060万香港ドル)。
 中国の政策に対する期待感が相場を支える流れ。廖岷・財政部副部長は18日、均衡のとれた対外貿易を維持しながら、消費主導の経済モデルに移行していく考えを明らかにした。中国では月末までに、下半期の政策方針を決定する中央政治局会議が開かれる予定。追加の景気刺激策が打ち出されるとの見方も広がっている。大型インフラ投資も支援材料。チベット自治区を流れるヤルンツァンポ川の下流で19日、世界最大級の大規模水力発電ダムが着工した。同プロジェクトの総投資額は約1兆2000億人民元(約24兆8200億円)に上る。そのほか、米長期金利の低下が続いていることも好感された。ただ、上値は限定的。このところの上昇を受け、売り圧力も意識されている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、石油・化学大手の中国石油化工(386/HK)が5.5%高、アルミ加工の中国宏橋集団(1378/HK)が4.6%高、石油グループ大手の中国石油天然気(857/HK)が3.6%高と上げが目立っている。

 電力設備やゼネコン、建材・鉄鋼などインフラ建設関連も高い。東方電気(1072/HK)が65.2%、ハルビン電気(1133/HK)が28.6%、中国中鉄(390/HK)が3.6%、中国鉄建(1186/HK)が3.5%、華新水泥(6655/HK)が85.6%、華潤水泥HD(1313/HK)が13.3%、重慶鋼鉄(1053/HK)が25.5%、中国東方集団HD(581/HK)が8.8%ずつ上昇した。
 消費セクターの一角も物色される。免税店の中国旅遊集団中免(1880/HK)が5.0%高、アヒル肉加工の周黒鴨国際HD(1458/HK)が4.0%高、即席麺・飲料の康師傅HD(322/HK)が3.1%高、飲料水の農夫山泉(9633/HK)が2.9%高、食肉の中糧家佳康食品(1610/HK)が2.8%高、火鍋の海底撈国際HD(6862/HK)が2.7%高、スポーツ用品の李寧(2331/HK)が2.3%高、テレビ(TV)の創維集団(751/HK)が2.2%高で取引を終えた。
 半面、医薬セクターは安い。永泰生物製薬(6978/HK)が4.7%、三生製薬(1530/HK)が4.2%、百済神州(6160/HK)が3.9%、緑葉製薬集団(2186/HK)が2.1%、康希諾生物(6185/HK)が1.9%ずつ下落した。
 本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.72%高の3559.79ポイントで取引を終了した。電力設備・工事やゼネコン、素材などインフラ建設関連が高い。証券、エネルギー、不動産、公益、消費関連、運輸、自動車、ハイテクなども買われた。半面、銀行は安い。医薬、保険も売られた。

(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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