2025年7月14日、中国のポータルサイト・捜狐に、劇場版「名探偵コナン」シリーズにおいて最も物議を醸した5作品について紹介する記事が掲載された。
記事はまず、「周知の通り、劇場版『名探偵コナン』シリーズは毎年1本のペースで公開されており、もはや最も力を入れる一大プロジェクトとなっている。
1作目は劇場版「名探偵コナン 天空の難破船(ロスト・シップ)」(10年公開)だとし、「同作は怪盗キッドが登場したこともあり、興行成績は悪くなかったが、公開後は怪盗キッドの描写をめぐって大きな議論を呼んだ。特に問題視されたのは、怪盗キッドが毛利蘭にキスしようとする場面。かつての紳士的なイメージが失われ、節度のない人物として描かれてしまったとして、多くのファンから『怪盗キッドのキャラクター設定が壊されてしまった』との声が上がった。また、現在は工藤新一と怪盗キッドがいとこ関係であることが明らかになっており、それを踏まえると当該シーンはより滑稽に見えるとして非難を集めた」とした。
2作目は劇場版「名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)」(16年公開)だとし、「同作は江戸川コナンに加えて、赤井秀一と安室透という人気キャラクターが主要キャストとして登場し、さらに黒ずくめの組織の新メンバーも加わるなど、見どころの多い作品だった。しかし、中国での評価は賛否が大きく分かれた。『推理パートの完成度が低い』『感動を無理やり押しつけている』などと指摘され、中国のドラマ・映画口コミサイトの豆瓣(douban)では10点満点中6.1点にとどまった。一方、日本では非常に好評だった。これは赤井と安室の人気のたまものだろう」と論じた。
3作目には劇場版「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」(19年公開)を挙げ、「同作は京極真の活躍が非常に目立ち、人間離れしたアクションシーンの数々で多くの観客を驚かせた。
4作目には劇場版「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」(23年公開)を挙げ、「26作目に当たる同作は、劇場版『名探偵コナン』シリーズで初めて興行収入100億円を達成した作品だが、同時に最も議論を呼んだ作品だともいえる。最大の論点は、水中での人工呼吸シーンにおいて、灰原哀がコナンからのキスだと受け取り、そのキスを蘭に『返す』という展開だ。この流れがあまりに突飛で非現実的だとして批判を受けた。ただし、国際的な評価の差が大きく、中国の豆瓣では10点満点中6.5点と低評価の一方、海外のプラットフォームでは非常に高い評価を獲得した」と言及した。
5作目は劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」(25年公開)だとし、「最新作の同作は、極端なカップリング描写はなく、キャラクターの出番の配分バランスが取れているが、それでも大きな議論を呼んでいる。評価が真っ二つに分かれている点が特徴だ。作品のクオリティーを『近年最高』と絶賛する声がある一方で、『それは誇大広告だ』『内容が薄くて退屈だった』と酷評する声もあった」とした。
記事はこの5作について、「これらの評価が正しいかどうかについては、結局のところ受け手次第といえるだろう」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)