2010年11月、F22のパイロット、ジェフリー・ヘイニー氏は酸素供給システムの故障が原因で操縦に集中できなくなり、墜落して命を落とした。事故を受け、F22は4カ月間にわたって飛行を停止し検査を行ったが、問題は解決されていない。
安全性に問題がある戦闘機を操縦するパイロットは軍当局と激しく対立している。5月6日、CBSテレビ(CBS)のトーク番組にF22のパイロット2人が出演、飛行中に低酸素症になり、意識がはっきりしないなかで緊急酸素供給システムの手動起動装置を見つけるのは非常に困難と不満を語った。
2人は、安全性への懸念からすでにF22の操縦を断ったという。米空軍は、ごく一部のパイロットが酸素供給問題への懸念からF22の飛行停止を求め、部隊を離れたことを認めた。F22の酸素供給不足は技術的問題だけでなく、米空軍の「エリート部隊」の士気と全体の戦闘力に深刻な影響を与えている。
F22の生産ラインで働く作業員からもステルス塗料に含まれる化学物質を吸った場合、健康を害するという声があがっており、同問題も調査が必要に迫られている。(おわり 編集担当:米原裕子)