韓国の天主教ソウル大教区の教区庁は4日、ソウル明洞で初代韓国統監の伊藤博文元首相を暗殺した韓国の独立運動家・安重根(アン・ジュングン)の遺墨「敬天」の寄贈式を開催した。複数の韓国メディアが報じた。


 伊藤博文元首相を狙撃した安重根は旅順監獄に収監され、処刑されるまでの間220点余りの書を残した。今回寄贈された作品の「敬天」は、処刑直前に日本人の依頼を受けて書いたもので、「信仰者安重根」が表現された極めて珍しい作品のひとつ。

 日本人の収集家が所蔵していたが1994年、安重根記念事業を進めていた僧侶の朴三中(パク・サムジュン)氏などの努力により韓国に返還された。

 今年3月に韓国の美術品競売大手のソウルオークションが開催したオークションに出品されたが落札されず、ソウル・蚕院洞聖堂が朴氏から買い取り、ソウル大教区に寄贈した。

 天主教の廉洙政(ヨム・スジョン)枢機卿は「敬けんなカトリック信者であった安義士の遺墨が寄贈されたことは本当に感激であり、恵み深い日」とし、「ローマ法王フランシスコの来韓と相まって、安義士の崇高な人生と志に、より光が照らされることを期待する」と明らかにした。

 また、廉枢機卿は「敵まで愛するという言葉を実践に移した安義士の人生を見習って、私たちも平和の道具として生きていかなければならない」と述べた。

 ソウル大教区はこの作品を、7日からソウル歴史博物館で開催される「天主教遺物展示会」で公開した後、2017年に完成予定の西小門殉教聖地教会史博物館に展示する計画。(編集担当:李信恵)


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