人民日報系のネットメディア「人民網」が2月25日付で、「日本産の米が大ブーム。5キログラム入り1500元(約2万9000円)の米を買う人までいる」と報じた。
中国では同話題について、大きな関心が集まった。その後、農業関係の専門家から「非理性的な消費観」との批判が出た。日本の農林水産省も「そんなに高い米は聞いたことがない」と説明したという。ただし、ネット通販では販売実績こそないが、「超高価な日本米」が売り出されてたという。「日本産として売られている米は、実際には中国産の可能性がある」との見方を示したメディアもある。

 人民網は、台湾メディアの自由時報を引用して、「日本産の米が炊飯器や洗浄機能付き便座に続く大ブーム。1500元で5キログラム入りの袋を買う人までいる」などと紹介した。多くの中国メディアが同話題を取り上げた。

 全国政治協商会議委員で安徽農業大学の副学長である夏濤氏は「国外の農業技術は我々よりも先を行っているかもしれない。加工の精度も高いだろう。しかし日本産の米でも、価格が5キログラム1500元にはね上がることはありえない」と主張。中国人が購入しているとすれば、「そのような非理性的な消費観が、海外旅行に出る中国人に悪い噂が立つ一因」と批判した。


 夏氏は、中国人が日本の米を求める気持ち自体については「不思議ではない」と理解を示した。「わが国の国産農産品の品質に、一定の問題があるとの事実が反映されている」と説明した。夏氏は、中国で米などの農産品からカドミウムなどの重金属が検出されることが相次いでいる以上、消費者が不安を持つのは当然との考えを示したと考えられる。

 四川省メディアの成都商報は、日本の農林水産省に問い合わせ、農水省側による「2014年における平均価格で1883円。最も高価なコシヒカリでも2054円」、「5キログラム3万円(近く)もする米は、聞いたことがない」などの説明を紹介した。

 中国国内における日本産の米の「売れ筋」は2キログラム入り200元(約3800円)以下の商品で、日系スーパーや通販事業者が扱っているが、品薄状態という。一方で、ネット通販では2キログラム2800元(約5万3000円)で売られている商品があるが、買い手はついていないと紹介。四川省メディアの成都全捜索新聞網によると、自由時報が注目したと見られる5キログラム1500元の米も、買い手がついていない。

 中国メディアの遼瀋晩報は遼寧省内で日本から導入された米の品種が栽培されているとして、中国人消費者が高値で買っている“日本産米”は、中国国産品の可能性があると指摘した。(編集担当:如月隼人)


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