中国河南省のメディア大河網は3月31日、江蘇省常州市にある企業が、実習生にトイレ掃除をさせ、「完璧にきれいにした」という“プライド”を示す証拠として、掃除をした本人に便器にたまった水を飲ませたとして「日本人式の奴隷根性訓練か?」と批判する記事を掲載した。

 批判された企業は食品製造業者で、教育機関と提携して、実習生を受け入れているという。
実習生になったと称する人が「まさかトイレ掃除をさせられ、その後で(便器の)水を飲ませられるとは思わなかった」とインターネットで投稿したことで、多くの人が知ることになった。

 中国では、郵政相、消費者担当相、食品安全担当相などを歴任した野田聖子衆議院議員が、帝国ホテルで勤務を開始した直後、先輩にトイレ掃除を厳しく教育されたと伝えられている。野田議員の先輩は、トイレを「手を抜かず、絶対にきれいにした」との自信を示すために、清掃後に便器の中の水を飲んでみせた。野田議員もその後、同じように便器の水を飲んだと伝わっている。

 大河網が「日本人式の奴隷根性訓練か?」と批判したのは、野田議員の「エピソード」が中国でよく知られているからと考えられる。

 大河網は、「実習生には苦労がつきものだが、実習生が持つ尊厳をおとしめてはならない」と主張。また、企業側による「企業文化の教育であり、強制的に飲ましたわけでなない」との説明については、「企業文化とは理性的であるべきであり、公序良俗に違反してはならない」と反論した。

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◆解説◆
 野田議員の「体験談」は、日本でもやや極端な例と思われるが、中国では日本の働き方について、「極めて真剣に仕事をする」との評価がある一方、「日本企業は社員に、非人間的な服従を強要する」との見方もある。

 一方で日系企業が中国人を雇用した場合、「職場のやり方に無条件で従え」と求めてもうまくいかない場合が多いという。かつて、日本企業が北京市内で経営していたホテルの支配人によると、大卒採用者に、ホテル業務の下働きから仕込もうとしたところ、短期間で辞職する例が相次いだ。理由を調査したところ、「大卒の仕事ではない」との不満があると分かった。

 そこで、残った者に「君には将来、最高幹部になる候補者と考えている。
だからこそ、すべての仕事とあらゆる階層の従業員の働きぶりを知ってもらう必要がある。そのための下働きだ」と説得したところ、働きぶりが見違えるほど変化したという。同ホテル経営者は、「日本人に対するのと同様の、『とにかくやれ』は通じない。きちんと説明して納得してもらえれば、力を発揮してくれる」と感想を述べた。(編集担当:如月隼人)(写真は同記事を伝える大河網の頁キャプチャー)


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