中国メディア・南方週末は7月30日、日本がドイツのように戦争の罪を反省しない理由について、4点挙げて説明する記事を掲載した。

 記事は、戦後政治に関係する4つのポイントから、ドイツと日本の戦争への反省における「巨大な差」について分析。
そこには、日本人による戦争の性質に対する認識、国家に対する認識が絡んでいるとした。

 記事が示した4つのポイントは、「政体の変化と国民の政治的成熟」、「民族主義による影響」、「加害者と被害者の認識」、「天皇制とナチスとの違い」だ。

 「政体の変化と国民の政治的成熟」については、ドイツが戦後自らの手によって「ドイツ基本法」を制定して主権を回復、その後占領を終結させたのに対し、日本は「米国の利益に基づく憲法」によって独立を回復したに過ぎず「ある面では、軍事的占領が終わっていない」と分析。ドイツ人に比べて「日本人は政治的に幼稚な段階にとどまっており、成熟できていない」とした。

 「民族主義による影響」では、戦前はドイツも日本も「民族的ロマン主義」を掲げて「民族的な自己卑下意識を消し去ろうと目論んだ」と紹介。ドイツが戦後「憲法愛国主義」を受けいれたのに対して、日本人はこれを受け入れられずに引き続き民族主義を抱いていると説明した。


 「加害者と被害者の認識」については、日本人が戦争について語るばあい、通常は米国との戦争であり、多くの日本人が「原子爆弾によって日本の戦争の罪は洗い流された」と認識しているとした。そして、他国から、とくに米国の裁きを受け、平和教育に転じることで「国としての罪が美徳へと変化」し、「日本は道徳的に優れている」との「歴史的に短絡した認識」へと結びついていると論じた。

 最後に、「天皇制とナチスとの違い」については「天皇制が日本のロマン民族主義の核となるもの」であるとしたうえで、第三帝国が壊滅するという「歴史的断層」を経験したドイツに対して、日本は「天皇が神聖な地位を奪われたものの、日本を統治したのは従来と同じ官僚や政治エリートだった」と説明。日本はドイツのような「歴史的断層」を経験しなかったことが戦争を悔いる意識の希薄さにつながっているとした。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)


【関連記事】
日本の「実力」はすごい! 経済や科学技術・・・「わが国民は誤解している!」
自衛隊の「軍事力」 世界屈指の強さを秘める!
日本の軍需産業・・・老獪な手口の真相!
海上自衛隊に劣る「兵士の能力」・・・中国海軍は人材不足
日本と中国の軍事衝突・・・想定される3つのパターン