重慶市南坪県で6日未明、肥溜めに落ちた63歳女性が35時間ぶりに救出された。重慶晨報が報じた。


 南坪県内のマンションにすむ石(せき)さんは5日午後10時ごろ、外で食事をして自室に戻る途中だった。マンション敷地内の通路で、男性2人が女性の名を呼びながら歩いているのに出くわした。

 2人は父子だった。行方不明になったのは年配男性の妻で、2人でマンションに住んでいる。息子は独立して、少し離れた場所に住んでいる。父親は2日ほど、息子の家に滞在していた。

 女性も5日午後には、息子の家に来るはずだったが姿を見せない。電話もつながらない。おかしいと思ってマンションに駆けつけた。部屋にはいない。周囲を探しても、見つからないという。

 石さんは「そりゃ、大変じゃないですか!」といい、女性探しに加わった。


 女性は財布や携帯電話を部屋に残していた。遠出のつもりはなかったはずだ。結局、警察に通報することにした。石さんは、SNSを利用してマンションの住民組織の登録グループに「マンションの住民1人が行方不明です。皆さん、探すのを手伝ってください」と呼びかけた。数分すると、マンション住人が集まってきた。

 行方不明の女性は、近くの畑で野菜を栽培するのが趣味だった。警察の監視カメラで、4日昼過ぎ、畑の方に歩いていく姿が確認された。しかし、マンションから畑までは、もう何度も探したはずだった。皆で改めて探したが見つからなかった。

 すると警察が、別の情報をもたらした。行方不明になった女性は4日午後2時ごろ、畑から近くの小山に向ったという。
そういえば、山腹には肥溜めがある。女性もしばしば、利用していた。

 肥溜めに急行した。肥溜めの開口部は80センチメートル程度しかない。奥行きは2メートルほど。蓋板が腐って垂れ下がっている部分もあって中がよく見えない。声をかけたが返事は聞こえない。いないようだ。あきらめかけた時に、肥溜めの奥から「助けて!」というかぼそい声が聞こえてきた。いた! 6日午前1時20分ごろだった。

 連絡を受けた警察と消防がやって来た。女性は開口部から最も離れた部分であごまで汚物に浸かっていた。
警察が梯子を下すと、消防特別勤務支隊の消防士1人が懐中電灯を口にくわえて降りていった。引き上げられた女性は、病院に搬送された。

 女性によると、肥溜めの蓋板の一部を踏み破って落ちた。つま先立ちになっても口まで汚物にひたる深さだった。上からぶらさがる板があったので、体が沈まないように懸命につかまっていたという。

 医師によると、35時間も肥溜につかっていために、汚物からの刺激で目が腫れているが、その他の健康状態に大きな問題はないという。(編集担当:如月隼人)(写真は重慶晨報の上記記事掲載面キャプチャー)


【関連記事】
商店街でバキュームカー爆発、容赦なく降り注ぐ「黄金の雨」
旅客機のトイレ爆発?・・・噴出して通路流れる、乗客ら悪臭に苦悶の「雪隠詰め」3時
人民元で性病に感染?
美観向上のはずが汚物増加・・・使えないトイレ100カ所、やってきた人我慢できずに周囲で用足し
マンホール蓋、250m範囲で一斉に飛翔・・・豪雨の街で下水道爆発
編集部おすすめ