記事は、同総領事がこれまでにアジア各国で気候変動、宇宙、食糧、経済協力、文化交流などで多くの経験を積む「アジアの専門家」である一方、中国駐在は初めてであると紹介。
また、総領事としての任務について、現在重慶に拠点を持っている日本企業が約140社にとどまっていることを指摘、沿海地域を中心に約2万社が進出している状況を考えると「相対的に少なく、存在感がまだまだ小さい」としたうえで、「どのように日本企業の目を中国の内陸地域に向けさせるか、どのようにして現地市民に日本への興味を持ってもらうか。これらが私にとってチャレンジだ」と語ったことを紹介した。
重慶市は、北京・天津・上海と並ぶ4直轄市の1つであるが、内陸に位置するために改革開放以降の経済発展においてほかの直轄市、さらには沿海部の大都市に遅れを取ってきた。江沢民政権が2000年に打ち出した「西部大開発」プロジェクトで転機を迎え、同プロジェクトを引っ張る存在として中央政府のサポートを受けて急速に発展し始めた。
日中戦争期には日本軍による無差別爆撃の標的とされた。2004年のサッカーアジア杯では、日本代表のバスにペットボトルが投げつけられるなど暴動まがいの事件が発生。10年には尖閣諸島での漁船衝突事件に抗議する1000人規模のデモが起きるなど、反日感情の強い地域というイメージの存在は否めない。
一方、04年に開業した中国初のモノレール「重慶モノレール」(重慶軌道交通2号線)は日本の技術によって建設されたことが知られており、現地と日本との関係はネガティブなものばかりではない。日本企業の進出が増え、経済的な協力がより深まれば、現地市民の日本に対するイメージも、日本人の現地に対するイメージもよりポジティブに変化することになるだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)4045qd/123RF.COM)
【関連記事】
日本の外交官が「日本と中国の製品に大差なし」と発言=香港メディア
日本の「スーパー軍需企業」が中国にやってくる!
日本の懸垂式モノレールがかっこいい! でも怖いから上海には作らないで!
中国のビル「お漏らし」問題深刻・・・足元に空洞ぽっかりのリスク、重慶などは100%の「ダダ漏れ」状態
中国で最大の市場を擁する産業は「鉄道」!