中国メディアの参考消息によると、韓国政府は26日、警備艦「李清好(イ・チョンホ)」を4月から、同国が自国の排他的経済水域(EEZ)内に位置すると主張する暗礁のソコトラ岩(韓国名:離於島<イオド>、中国名:蘇岩礁)周辺海域で巡視させることを決めた。東シナ海のEEZや防空識別圏の問題で、両国の対立が表面化する可能性がある。


 韓国海軍と韓国登山協会が1951年に同暗礁に「大韓民国の領土」と書いた青銅製の記念碑を建てるなど、同暗礁を「領土」と主張してきた。日本を含む周辺国は承認しなかった。

 しかし1982年に採択された国連海洋法には、島の定義が「自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるもの」と改めて明記された。韓国は同暗礁に海洋調査施設を建設するなどの作業を続けた。ただし2011年には韓国政府報道官が「島周辺の水域の管轄権使用と排他的経済水域(EEZ)に関する問題だ」と述べ、領土であるとの主張は撤回した。

 しかし中国は、同暗礁が自国のEEZ内にあるとして、韓国側の施設建設に対して抗議を続けてきた。中国が2011年11月に宣言した防空識別圏は、同暗礁上空が含まれる。韓国が同年12月に防空識別圏を拡大し、同暗礁上空を圏内に組み入れた。韓国が同暗礁の支配を強化しようとすれば、中国が反発して何らかの行動に出る可能性は高まる。

 同暗礁海域で巡視活動をさせる「李清好」は2015年12月に進水したばかりの、5000トンクラスの警備艦だ。船名は、違法操業をしていた中国漁船の取り締まり中に中国側乗組員に刺されて殉職した、韓国海洋警察の李清好巡査部長にちなむ。中国側が「挑発」と受け止めれば、事態がさらにこじれる可能性も否定できない。
(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)


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