
『健忘村』は現在、台湾南部の屏東県での撮影が進行しているという。陳によると、自分の周辺で「忘れっぽい」人の起こした騒動がとても面白く、作品化を考えたという。もしも映画として支持され、興行成績がよかったら『健忘村』3部作にしたいほど、ネタは尽きないという。
ギャグをちりばめながらも、決して上品さは失わず、見終わって幸せな気分にさせてくれる陳監督の手腕に、また期待できそうだ。
陳監督は、ヒロインのスー・チーについて改めて「とてもよい人」と痛感したと説明。撮影中の一時期、陳監督の胃の調子が悪くなった。するとスー・チーはアシスタントらを出かけて、毎日調合の違う現地に伝わる伝統薬を調達してくれた。まるで「仙女」のようだったという。
ある日、スー・チーはミッキー・マウスとミニー・マウスの人形を持って来た。「縁起物だから」陳監督にプレゼントするという。「はて? どうしてネズミが縁起物なのだろう」と思ったが、要するにスー・チーが今年を「ネズミ年」と思い込んでいたと分かった。