中国の高速鉄道輸出は一帯一路という壮大な国家戦略を実現するための策でもあり、輸出にかける情熱はひときわ強い。自ら世界一と胸を張る中国高速鉄道だが、タイからは、巨額な建設費を理由に借款の金利引き下げや投資増額を「当然のように」要求されたと記事は指摘している。
これに対して中国側はタイの要求に従って金利を2%に下げることに同意したにもかかわらず、結局タイは中国の譲歩を受け入れず、自己資金で一部路線の建設を決めたわけだが、中国としてはメンツを潰された形になったと言えるだろう。
記事はメンツを潰された怒りの矛先を日本に向けており、中国が高速鉄道に関する交渉において受身になってしまうのは「日本も高速鉄道市場を狙っているから」なのだという。中国高速鉄道はコストの安さというアドバンテージがあるため、本来は交渉を優位に進められるはずだが、日本との競争で受注獲得のために「焦ってしまったのではないか」と論じ、交通インフラを必要としているタイから求められるのをじっくり待つべきだったと分析した。
この点、日本に競り勝ったインドネシア高速鉄道計画の受注は、今後のロールモデルになる成功例だと考えているようで、記事でもその詳細を誇らしげに取り上げている。
中国としては、一帯一路構想実現のためにも、昆明からラオスを経由してタイを結び、さらにはマレーシアやシンガポールも結ぶことを考えているが、今回のタイの決定で、この構想に暗雲が立ち込めてきたといえるだろう。これまでも、タイは高速鉄道計画において立場を二転三転させており、日本も2015年5月にバンコク-チェンマイ間の高速鉄道計画でタイ政府と覚書を交わしているが、駆け引きのうまいタイに振り回されないことを願う。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Yang Yu/123RF.COM)
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