中国は過去数十年にわたって、世界で必要とされる希土類(レアアース)の大半を供給する重要な役割を担ってきた。中国政府はレアアースの採掘や生産量を厳しく制限しているが、今なお違法採掘が行われ、レアアースの密輸も行われていると言われる。


 中国の一部のレアアース資源は枯渇間近であるとの主張もあるなか、中国メディアの今日頭条は21日、「過度なレアアース採掘が中国経済の構造転換における障害になりつつある」と伝えている。

 記事は「レアアース資源が存在する国は中国だけではないが、それでも中国は長年にわたって世界にレアアースを供給し続けてきた」と指摘する一方、その結果として中国は自国の自然環境を破壊し、レアアース資源を失うという代償を払うことになったと主張。

 さらに、中国のレアアース埋蔵量は10年間で急激に減少してしまったとし、現在のペースで生産を続ければ、中国のレアアースは枯渇してしまい、2040年から50年ごろにはレアアースの輸入を迫られることになると主張。「もはや現在の中国はレアアース大国ではなくなった」としたうえで、枯渇が目前に迫っていることに対して「もう待ったなし」だと危機感を示した。

 産業のビタミンと呼ばれるレアアースは、ハイテク製品に必要不可欠な物質だ。中国は現在、製造業の高度化を始め、経済構造の転換に取り組んでいるが、中国国内のレアアースが枯渇してしまい、レアアースを輸入する必要に迫られれば「製造業の高度化における障害になりかねない」と主張。中国はレアアースの乱採掘や違法採掘、そして密輸を取り締まり、稀少な資源を守る必要があると主張、さもなくば経済構造の転換に対しても障害になりかねないと訴えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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