記事は、「中華文明は深く大きいものであり、全人類において最も輝かしい文明である」とする一方で、「中華文化の中にも良くないものがあり、中国の発展や進歩を著しく妨げている」と説明。多くのことわざは進歩に有益だが、一部には「私利私欲を貪る文化、さらには腐った思想」に基づくものも存在するとし、その例として3つ紹介した。
1つ目は「犬を殴る前に飼い主を見よ」。このことわざの持つ潜在的な意味は「逆らえない相手が飼い主なら犬を殴るな。力のない飼い主なら殴ってよし」というものであり、「典型的な弱いものいじめである」と指摘。法治社会を作るには、この封建的な思想を根絶しなければならないとした。
2つ目は「片手では拍手はできない」だ。女性へのセクハラ問題を例にとり、この言葉に基づけば加害者が咎められるのは当然として「女性が過度の露出をしなければ、ハラスメントを起こす人などいない」という解釈にもなると説明。中庸、調和を旨とする中国の哲学は正しいものだが、その思想を過激化すれば「理性と反対の方向に進むことになる」と論じている。
3つ目は「時勢を知る者は俊傑」ということわざだ。「これは、裏切者や売国奴といった徳に欠けるものの言い訳になっている」とし、「時勢を知る」ことの本質は投機に過ぎないと解説。いいことにも悪いことにも使えてしまう点に大きな問題があるとの見解を示した。
ことわざは「生きた言葉」であってこそ意味のあるもの。時代や社会風潮によってその意味が変化するものもあれば、時代に合わない「死んだ言葉」として捨て去られるものもある。そして、いかなる時代においても通用する万古不易のことわざも多分に存在するのだ。ことわざが文化をダメにしたのか、文化がことわざをダメにしたのか、その判定は簡単ではない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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