日本は、かつて多くのことを中国から学び、導入してきた。それゆえ、日本と中国の文化には相似点もあるものの、やはり異なる面も少なくない。
そのうちの1つが「席を譲る」ことが挙げられる。中国メディアの今日頭条は26日、日本と中国の「席を譲る文化」について比較し分析する記事を掲載した。

 記事は、「日本では高齢者に席を譲るのは失礼なことになる」と紹介。日本では幼い時から「他人に迷惑をかけない」ことが何より重要なこととして教えられ、他人を不快にさせること、心配させることなどもすべて「迷惑をかける」ことに含まれるのだとした。そのため、高齢者は席を譲られることを「他人に迷惑をかけた」ととらえるため、席を譲られることを嫌がるのだと分析した。

 また、日本では多くの高齢者が「自分はまだ若い」と考えていることも大きな要因だと指摘。これは、退職したら自他ともに「高齢者」となる中国とは大きな違いなのだという。それで、日本では席を譲られると「高齢者に思われた」ということになり、一種の侮辱行為になると主張。席を譲らないことこそ若者と高齢者が互いに尊敬しあうことなのだと論じた。

 中国では高齢者に席を譲るのが当然という雰囲気があるが、高齢者もまた譲られて当然と思っているため、「席を譲らなかった」として高齢者が若者に対して怒り狂うという問題もたびたび発生している。しかし、筆者によればそんな中国もこの先は観念が変わるかもしれないという。というのも、中国は急速に「高齢化」が進んでいるからだ。
かつては、「弱者」に対して優しく接するよう教えられてきたものの、この先は、その「弱者」がますます増えていく。

 その上、若い人たちは残業や徹夜など仕事で大変であり、若者がいなければ高齢者は生活できないのだから、高齢者はラッシュ時を避けるかタクシーなどを利用すべきとの意見もあると紹介。それで、「中国は直ちに席を譲る文化がなくなるわけではないが、新たな若い世代には自分の基準ができているだろう」としている。席を譲る中国も譲らない日本も、相手のことを思えばの習慣だと言えるだろう。文化の違いに正解はないが、相手を思いやる気持ちは忘れないでいたいものである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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