中国では急速な都市化が進む一方で「断崖村」と呼ばれる場所で昔ながらの生活を送る人びともいる。中国メディアの今日頭条はこのほど、「なぜこれほど危険で不便に思われる場所に住み続けるのか」として、四川省にある通称「断崖村」を紹介する記事を掲載した。


 中国四川省の阿土列爾村(アトゥラール村)がなぜ「断崖村」と呼ばれるかと言うと、大渓谷にそそり立つ岩壁の中腹にある台地に位置し、海抜1400メートルを越える村に行くためには「垂直の岩肌に作られた梯子を800メートルほど上る」必要があるからだ。こうした地形ゆえに「一歩踏み入れば時代を遡ったかのような」生活が残されており、中国でも最も貧しい地域に数えられていると紹介した。

 この村の住民は約200年ほど前に騒乱や賊から逃れ、この隔絶された場所に定住したと言われているらしいが、かつての生活は肥沃な土地で自給自足をし平穏な生活を送ってきたゆえ、下界との接触が困難なことを除けば他の場所よりも幸せな暮らしを送ってきたようだ。

 しかし現在、村から出る手段が危険な梯子しかないことは、いくら土地が肥沃で天候が良く、作物が豊かに実ってもこの村が貧困から抜け出せないことの原因となっていると指摘した。村へ繋がるルートは小道しかなく、溪谷を越え、山道を抜け、最後の難関としてほぼ垂直の手製の梯子が13カ所も存在するという。これまで少なくとも7ー8人が命を落としているという過酷さだ。

 しかしこの特殊な環境を観光資源としてとして着目した中国企業が6億3000万元(約107億円)も投資する計画もあるという。今後、政府の支援や企業による社会的援助、また観光化がこの「断崖村」をどのように今後変化させていくのか興味深いところだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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