中国は日本が過去の戦争について反省していないと繰り返し批判している。中国のネット上でよく批判の対象となるのが、日本は中国に賠償金を支払っていないということだが、実際には中国は正式に賠償金を放棄しているため、矛盾した主張となっている。
それにしても、中国はなぜ放棄したのだろうか。中国メディアの快資訊は16日、「戦後中国はなぜ日本からの賠償を放棄してしまったのか」と題する記事を掲載した。記事の中国人筆者は、「賠償金は欲しかったが言えなかった」という見解を紹介している。

 戦後の賠償問題を巡っては、1972年に締結された日中平和友好条約で、中国は国交を回復するにあたり、日本に対する戦争賠償の請求を放棄すると明確に宣言している。ではなぜ中国は日本による賠償を放棄したのだろうか。記事によると、「国際事情ゆえに泣く泣く放棄した」のだという。


 第2次世界大戦後まもなく、賠償金に関する問題が扱われたが、日本の後ろ盾となった米国は、中国を貧しくて遅れた国で賠償金を配分する価値もないと考えていたため、賠償金を振り分けなかったと主張した。

 その後、中国では内戦が始まり、国民党と共産党のどちらに賠償金を払えば良いか分からないのをいいことに賠償金問題は後回しにされてしまったとしている。戦争後は米国とソ連が冷戦状態となり、ソ連側についた中国に賠償金を払うのを米国が許すはずもなく、うやむやになったまま、米国になびく国民党が中国政府を代表して放棄を宣言してしまった、と一連の流れを説明した。

 米中国交樹立後にも賠償金を得る絶好の機会が訪れたものの、やはり、中国とロシアの関係性や、米国との圧倒的な国力・武力の差を考えるとやはり請求できずに終わったと記事は論じた。最終的には1972年に正式に放棄を宣言するに至ったという。

 記事では、戦勝国として本来得るべき賠償金を得られなかったと悔しがっているが、日本はそのかわりに巨額のODAで中国を支援しており、誠意を示していると言えるのではないだろうか。
この点が中国国民にあまり知られていないというのは実に残念なことだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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