中国当局が先ごろ、eスポーツ選手を正式な職業として新たに認定した。中国メディアの新浪体育によると、中国の人力資源社会保障部と国家市場監督管理総局、国家統計局が1日に新たに認定した13種の職業のうちの1つ。
eスポーツ選手のほかに、eスポーツ運営者も認定された。

 中国では2003年に国家体育局が99番目のスポーツ種目としてeスポーツを認定。これを受け、eスポーツブームが到来し、eスポーツ関連のテレビ番組が続々と誕生した。これ以前の中国社会でのeスポーツに対する見方は冷ややかなもので、eスポーツ選手は単なる「ゲーム中毒者」とみなされていた。

 ところが、2004年に中国のテレビやラジオなどを統括する当時の中国国家広播電影電視総局(広電総局)が「パソコンオンラインゲーム類の番組放送の禁止に関する通知」を出し、eスポーツ関連の番組放送が全て打ち切られた。それからは、eスポーツに対する世間の見方は再び冷え込んだ。特に保護者からの視線は厳しく、「電子ヘロイン」「玩物喪志(無用のものに熱中し、本来の志を失うこと)」「eスポーツは単なるゲーム遊び」などのレッテルが貼られた。

 今回、中国でeスポーツが正式に職業として認定されたことの意義は深い。これから、eスポーツ産業に従事する人は爆発的に増えるだろう。eスポーツは2022年のアジア競技大会で正式種目になることが決定したほか、五輪で正式種目に採用される可能性も浮上している。日本はeスポーツの後進国と言われているが、一般社団法人日本eスポーツ連合からプロライセンスが発行されるなど、注目度も高まっている。

 学研ホールディングスが2018年9月、全国の小学生計1200人を対象に「将来つきたい職業」についてアンケートを実施したところ、首位がパティシエ、2位がプロサッカー選手と続き、3位にYouTuberなどのネット配信者が入り、話題を呼んだ。
だが、あと数年もすれば、eスポーツ選手がランキング上位に食い込む時代が来るかもしれない。(編集担当:仙道計子)(イメージ写真提供:123RF)


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