記事は、今回の会議で注目すべき点は、会議のメインである「自由で開かれたインド太平洋の実現」と、安倍総理によるアフリカの国々の財務危機危惧する発言の2点だと分析。中国を暗にけん制する目的だったと不満を示している。
「インド太平洋」構想は、アジアとアフリカを結ぶインド洋・太平洋地域で経済連携を推進するというもので、中国が提唱する「一帯一路」に対抗する側面もある。安倍総理は3年前にこの構想を提唱したが、明記したのはこれが初めてだ。
記事は、閉会式で採択された「横浜宣言」に、インフレなどの投資は、透明で持続可能であることが重要だとの文言が盛り込まれたと指摘。これを、日本メディアが「中国の借金漬け外交を念頭に置いている」と報道したことも不満げに伝えた。
また、安倍首相の「対象国の負担が過剰なものにならないようにしないといけない」という発言に対しても、明らかに中国をけん制しており、中国政府はさっそくそれを否定したと紹介。スリランカなどは、中国からの支援は負担にはなっておらず、返済も滞りなく、むしろ、日本からの貸付金額の方が多いと、逆に日本を批判した。
確かに、今回の「横浜宣言」では、過剰融資が指摘される中国を念頭に、債務持続性を確保する「質の高いインフラ投資」を盛り込んでおり、中国を暗に批判したと言えなくはない。しかし、中国との関係を重視する参加国も少なくなく、こうした国への配慮から率直な表現は避けたようだ。日本が引き続き「質の高いインフラ投資」により、中国との違いを強調していくことは重要であるに違いない。
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