そもそも、中国では介護という仕事の社会的地位が非常に低い。中国には家事や子どもの面倒を見てもらう家政婦のような人を雇う習慣があるが、そのほとんどが田舎から出てきた教育をあまり受けていない中高年の女性で、仕事内容がきつく拘束時間も長い割には給料も安いのが普通だ。
メンツを気にする中国社会で、そんな地位の低い仕事に進んで就こうとする若者がいるわけもなく、そもそも一人っ子政策で生まれた中国の若い世代は、わがままに育てられた人が多い。仕事内容が大変な介護の仕事が、中国の若者に務まると考えたのが無理な話だったのだろう。
実際、この制度を利用して日本に来た若者は、日本を選んだ理由として「日本のアイドルが好きだから」、「日本の化粧品に興味があるから」などと語っており、「介護を学びたい」という意欲が聞かれないという。彼らの仕事への不満は多く、期待外れだった受け入れ側とは摩擦が絶えず、逆に負担が増えたという苦情も寄せられているそうだ。
期待されていた介護分野での外国人技能実習制度だが、中国人に期待するのは難しいのかもしれない。介護の分野ではフィリピンやインドネシア、ベトナムは実績があり、台湾などではこれらの国から来た人たちが高齢者介護の現場を支えている。いずれにしても現状では、中国人技能実習生が「日本の介護の救世主」になるのは難しいようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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