2019年は台風15号とそれに続く19号により、千葉県では電柱が倒壊するなどして大規模な停電が発生した。これを機に「無電柱化」が見直されるようになったが、中国メディアの今日頭条は10日、「無電柱化で日本は遅れている」と指摘する記事を掲載した。


 記事はまず、日本は矛盾したところのある国だと指摘。ノーベル賞受賞者を数多く出す先進国なのに、「一度の台風で大規模停電を発生させる」などの、遅れた面があるからで、「日本は笑いものになっている」と主張している。

 しかし、日本で「無電柱化」という言葉が聞かれるようになったのは今に始まったことではない。記事は、2016年には小池百合子東京知事も提唱しており、東京都は1986年から無電柱化が進められてはいるものの、現時点ではなかなか進んでいないのが現状であることを強調した。

 日本の無電柱化は、先進国のなかではかなり遅れていると記事は指摘。パリ、ロンドン、香港などでは100%、シンガポールでも90%以上であるのに対し、日本では大都市でも2%から7%程度と全く進んでいないという。
もっとも、「日本は地震が頻発する国であるため難しいのだろう」と理解を示しながらも、「疑問を感じない」日本人の感覚は世界とはかけ離れていて「恥ずかしいこと」だと指摘している。

 確かに、「無電柱化」は災害時の安全という面では望ましいのだろうが、無電柱化の進まない日本は笑いものになっているのだろうか。記事に対し、多くの中国人ユーザーは、「地震が多いというのは地理的理由なのだから、遅れているということではない」、むしろ、「毎日道路を掘らずに済む」、さらに、日本は「電力会社が民営だから時間がかかるのではないか」などの意見が寄せられていた。

 無電柱化は外観も良くなり、歩行の邪魔にもならずメリットも多いが、電柱以上にコストがかかることや、電線を地中に埋めると断線箇所が分かりにくいなどのデメリットもある。メリットとデメリットをよく考慮したうえで日本は方向性を定めていく必要があるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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