今でこそ日本製品は世界中で「高品質」という評価を得ているが、その日本製品もかつては「模倣」という段階を経てきたことは周知の事実だ。しかし、日本製品が世界から高い評価を得る一方で、中国製品は同じ模倣であるのに「粗悪」と指摘されることに不満を感じる中国人は少なくないようだ。


 中国のQ&Aサイトの知乎にこのほど、「中国にはあらゆる模倣品を作る技術があるのに、なぜ日本が作る模倣品だけが優れていると評価され、日本人は模倣に長けていると評価されるのか」と問いかけるスレッドが立ち上げられ、中国人ネットユーザーから様々な意見が寄せられた。

 ある中国人ユーザーは、「メード・イン・ジャパンはかつて粗悪な模倣品の代名詞として語られたこともあった」と指摘し、「日本は欧米諸国の食品や衣服、漫画や映画、家電や自動車など様々な商品を模倣して製造、販売していた」と主張。模倣からスタートしたという点は日本も中国も同じだったが、日本は単なる模倣にとどまらず、質を向上させてオリジナルを超える製品を作ったという点が「日本人は模倣に長けている」と評価される理由ではないかと主張した。

 また、日本人が模倣に長けているのは「製造業」だけの話ではないとし、他国の優れた制度や文化、文明のようなものまで模倣し、取り入れ、自分のものにして成長するという事例は明治維を見れば良く分かると指摘し、こうした点が「日本人は模倣に長けている」証拠であると強調する声もあった。

 中国にはありとあらゆる模倣品や海賊品があり、知的財産権の侵害が極めて深刻な状況だが、こうした状況について、ある中国人ユーザーからは「模倣品や海賊品の存在は質や価格という点での競争につながり、消費者にとってメリットがある」という意見が寄せられたほか、「企業にとっても短期間で利益を上げることのできる戦略の1つ」と捉えられていることを紹介する意見も寄せられる一方、「中国の模倣はあくまでもパクリであり、他者の権利侵害にとどまっている点が日本と違う」というコメントも見られた。

 中国ではパッケージがよく似た類似品が販売されたり、飲食店でも有名店に類似させた看板を堂々と掲げるのはごく普通のこととされている。
消費者は価格や質、また安全性を吟味しそれぞれが納得して料金を支払う。中国で「知的財産権」の侵害を指摘する人が少ないのは、日中で感覚が大きく異なる部分と言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)


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