
中でも顕著な伸びをみせたのはケース販売で、前期(12月期)に50本入が20%以上伸びを記録。
手売りでは、ドラッグストアの伸びが牽引し、続いてスーパー・量販店での販売が寄与。ECでの販売は前期30%以上伸長した。
これらの好調要因について、取材に応じた山野順平ニュートラシューティカルズ事業部オロナミンCプロダクトマーケティングマネージャーは「ロングセラーブランドの信頼感から子どもからお年寄りまで安心して飲める飲料として、家飲み需要に対応できたと思っている。従来は外で飲むシーンも多かったが、20年に関しては家庭内、特に家族での飲用が広がった」と説明する。
取材に応じた山野順平ニュートラシューティカルズ事業部オロナミンCプロダクトマーケティングマネージャー(大塚製薬) 昨年10月に実施した生活者1000人を対象としたアンケート調査からは、 “健康的で元気になれる”や“リフレッシュできる”といった声に加えて、特に特徴的だったのが、慣れ親しんだ美味しい味で“家族みんなで飲めるのが嬉しい”の声が寄せられたという。
「ビタミンC、ビタミンB、着色料・保存料ゼロの安心品質に加えて、小容量サイズで冷蔵庫内の邪魔にならず、その都度飲みきれるということでご支持いただいている」と述べる。
これには、昨年新たな生活様式のなか企画され6月からスタートした家庭内需要喚起策「みんなで元気ハツラツ!プロジェクト」が奏功した 。

同プロジェクトでは、日本全国に元気を届け、みんなの元気がつながっていくことを目的に、昨秋には公式Twitterで“元気ハツラツ!家族で運動会キャンペーン”を展開。リアルの運動会が中止・縮小される中で、洗濯物の早畳み競争など子どものお手伝いにもつながる家の中でも工夫してできる種目を様々に用意して発信したところポジティブなメッセージが多数寄せられたという。
今後も同様なキャンペーンを企画してゆく。
続いて昨年12月14日から1月31日にかけてはTwitterで“夕方5時のオロナミンCキャンペーン”を実施した。
これは、在宅勤務の機会が増え、仕事と生活の切り替えが難しい環境に置かれた人たちに向けて、仕事がひと段落したり、子どもが帰宅したり、夕食の準備が始まる夕方5時に「オロナミンC」を飲んで家族との時間に気分もスイッチすることを促す施策で、想定を上回る数のコメントや応募が寄せられたほか、父親が子どもを迎えに行った帰りに自販機で購入した「オロナミンC」を親子で飲み、元気よく帰宅する姿を描いたウェブムービーが好評を博しているという。
同キャンペーンの実施に伴い「家族でオロナミンCを飲みたいのはいつ? 」のアンケートを実施したところ「“お風呂上がりに家族で飲みたい”とのお声が最も多く、続いて“仕事終わり”という声が多かった」と語る。
親と子に向けた仮面ライダー施策も継続して展開していく。
昨秋は店頭では、子どもたちに手洗いとうがいを啓発するPOPとともに、オロナミンCと仮面ライダーのオリジナルカップをノベルティとして展開したところ好評を得られたという。SNSでも仮面ライダーセイバーとの合成写真が作れるオリジナルフォトメーカーを展開するなどしてデジタル上でもコミュニケーションの強化を図っている。
今期のブランドの方針については「引き続き“元気ハツラツ!”のメッセージをひとりでも多くの人に届けることを使命に掲げていく」。

今年はデジタルの活動に加えて、リアルでの活動も視野に入れる。
「今年は昨年強化したデジタルに加えてリアルでも体験できるキャンペーンや店頭との融合を考えていきたい」考えだ。
コミュニケーションは、若手女優の森七菜さんを起用し発信している。
「オロナミンC」の前期販売実績は、社会的状況の影響でコンビニや自販機での需要が減少して1本販売が伸び悩み前年比4.5%減の940万ケースとなった。
ただコンビニでの販売が過半を占める栄養ドリンク市場では、多くの他社商品が大きく落ち込む中、「オロナミンC」の本数ベースの販売シェアは上昇し「過去5年の中で一番よかった」という。