スティック1本で1リットルのお茶とコーヒー 小さく・軽く・ラクでエコにも貢献 濃縮飲料よりも簡便なAGFの新パウダー飲料とは?
「ブレンディ ザリットル」5品をアピールする土屋洋人リテールビジネス部マーケティング第1グループグループ長代理(味の素AGF)
味の素AGFが2月に新発売した「ブレンディ」 ザリットルは、1Lの水に溶かして飲むスティックタイプの新パウダー飲料。

「緑茶」(1本の想定定番売価・税別80円)「烏龍茶」(同80円)「ルイボスティー」(同100円)「ジャスミン茶」(100円)「コーヒー」(100円)の5品をラインアップし、定番の嗜好品売場に加えて大容量のペットボトル(PET)飲料の売場にも並べられている。


「大容量PETのお茶やコーヒーを持ち運ぶのは重たくて、ストックするにも場所を取るというところに着眼して開発した。エコにも貢献するが、まずは買いやすさや使い勝手のよさといった機能的な価値を体感していただきたい」と土屋洋人リテールビジネス部マーケティング第1グループグループ長代理は語る。

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「ブレンディ ザリットル」5品をアピールする土屋洋人リテールビジネス部マーケティング第1グループグループ長代理(味の素AGF) 開発にあたっては業務用パウダー飲料で培った知見を活用した。

「スティックや給茶機用でお茶パウダーに関する技術・知見がだいぶ蓄積されており、それらを参考にした。業務用では2Lの水に対応したものもあるが、家庭用ではバラエティ性や気分に応じて飲み分けしやすいように1L用に統一した」という。

1Lサイズの勝算としては、家庭で普及している冷水筒・ピッチャーのコンパクト化を挙げる。

春夏マーケティングにあたり、同社は1月、約1万7000人を対象に冷水筒とマイボトルの利用実態を実施した。

これにより「約7割のご家庭で何らかの冷水筒やピッチャーを持たれており、冷蔵庫のドアポケットに適したものや横にしてもこぼれないものといった形状が多様化していることとメインの容量帯が小型化していると判明した」。

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エコや社会課題解決に貢献(味の素AGF)
エコや社会課題解決に貢献(味の素AGF) 冷水筒・ピッチャーの高い所持率で商機を見出すほか、冷水筒やピッチャーを持たない層にもアプローチしていく。

冷水筒とともに販売してもらうクロスMD提案に加えて、3月31日から4月28日までの期間、全国のロフト大型店11店舗で“地球にいいこと、みんなにいいこと”をテーマにしたタイアップイベントを実施し、そこで新生活提案としてロフトに並ぶ多彩な冷水筒・ピッチャーとともにアピールしている。

また同期間、ツイッターのAGF公式アカウントでザリットル全5種と冷水筒をセットにしたスターターキットが抽選100人当たるプレゼントキャンペーンも実施している。

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環境訴求型の店頭POP(ブレンディ ザリットル)
環境訴求型の店頭POP(ブレンディ ザリットル) エコの観点では、スティックの包材に紙素材を使用し大容量PETに比べてプラスチック使用量が94%削減できることと、輸送効率が大幅に改善されて運搬車のCO2排出削減につながる点をポイントとする。


加えて、店頭オペレーションの改善や陳列の省スペース化、スマートショッピングといった社会課題解決への貢献も見込む。

「最近調査したところ、濃縮飲料でも“まだ重い”とか“ゴミがかさばる”といった声が浮き彫りになっている。軽くてコンパクトで、かさばらず捨てやすいスティックならではの価値を伝えていきたい」と意欲をのぞかせる。

販売チャネルは、スーパー、量販店、ドラッグストアで、直近ではコンビニ等への採用も決定した。店頭POPは環境訴求型と機能面訴求型の主に2種類を用意。1つの店舗の複数箇所で展開できるように吊り下げタイプの什器も取り揃えている。

トライアル喚起策としては1本ずつのバラ売りや複数本のバンドル販売を展開している。

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AGFスペシャルティ技術
AGFスペシャルティ技術 中身は5品いずれもAGFスペシャルティ技術を結集し「冷たい水にさっと溶けるだけではなく、豊かな香りを実現した」。

溶けやすさの原理は、通常製法のインスタント飲料の場合、パウダーの中に空気が入っており水に浮きやすく水に触れる面積が少なくなるため溶けるのに時間を要するのに対し、ザリットルの「緑茶」「烏龍茶」「ジャスミンティー」3品を含むAGFのいくつかの商品では、パウダーを砕いて中の空気を抜き、砕いたパウダーをくっつけたものとなるため水に浮きにくく溶けやすくなっている。

5品のラインアップは、業務用製品のテスト販売の結果と生活者への調査結果を受けて選定された。

「業務用の技術を活用したが、風味や濃度はゼロベースで見直した。コロナ禍で難航したが、いくつかのご家庭でホームユーステストを実施して家庭用に置き換えていった」と振り返る。


ザリットルでは既存の「ブレンディ スティック」が手つかずだった家庭用の新領域に挑み「『ブレンディ』のブランド資産である安心品質を活用するとともに、スティックの価値を広げることで『ブレンディ』に貢献していく」考えだ。

最需要期は夏場を想定し4月からマーケティングを本格展開する。「夏場に向けた助走として4月から5月にかけて、デジタル施策を展開していく。そこで、しっかりと1L用であることを伝えていく」という。
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